高齢者ドライバーと「危険運転」

池袋の暴走事故で実刑判決を受けた飯塚幸三受刑者が、老衰のため刑務所で死亡したとのこと。

高齢ドライバーにより交通事故が社会問題となる、まさにその発端の大事件を引き起こした人でした。

もうひとつ最近問題となってるのが、無謀運転による死亡事故が「危険運転致死」と認められない問題です。

「危険運転」の定義や該当基準が国民感情に合わないと、以前から疑問の声が上がっています。

アルコールや薬物の影響がある状態での運転が危険運転に該当するというのは頷けても、別の疑問が生じます。

であるならば、無謀な運転で異常に興奮して脳内麻薬が出まくっている状態こそ、もっと問題じゃないですか。

それはいまの自分の運転が安全かどうかの判断すらできずに運転している状態であり、もう危険運転です。

もちろん、運転が安全ではないとわかって運転して死亡事故を起こしたのなら、未必の故意の殺人罪でしょう。

なので、超高速度運転による死亡事故は、過失致死ではなく、危険運転致死か殺人かで争うべき事案です。

よく言われるのは、事故の前は無事に運転できていていたので危険運転ではないというオカシな理屈。

逆でしょう。危険運転だけどこれまでは運良く事故らなかっただけ、と考える方が自然じゃないですかね。

少なくとも事故った時点で、やはり制御できていなかったことが立証されたわけで、つまり危険運転なのです。

これは高齢者ドライバーでも同じこと。周囲から「危なっかしい」運転だと思われた時点で危険運転でしょう。

日頃運転できていたのは運が良かっただけ。事故った時点で、やはり危険運転だったことが露呈するのです。

それまで無事故だったことをもって「運転を制御できていた」とする屁理屈は、即座に撤廃していただきたい。