四輪操舵で快適、またはウネウネ

自動車が、どのぐらい「小回り」が利くかを表す数値として、「最小回転半径」が使われます。

これは車の長さ(厳密に言えば前輪と後輪の距離「ホイールベース」)や幅(前輪間の距離)に依存します。

つまり、長くて幅の広い車ほど大回りになるわけで、感覚的には当たり前のことです。

ホイールベースが長い車は直進安定性に優れ、また居室が長くデザインできるので居住性が良くなります。

そのかわり、ホイールベースが長いほど、最小回転半径も大きくなるので小回りが利きません。

この問題を軽減する方法として、「四輪操舵((4WS)」という仕組みが、一部の車に採用されてます。

たとえば右にハンドルを切ると、前輪が右に向くのと同時に、後輪が反対(逆位相)の左に曲がるわけです。

これによって、イメージとしては、車がクルンっと回るように曲がります。

さらに4WSシステムでは、一定速度以上の高速になると、後輪が前輪と同じ方向(同位相)に曲がります。

それによって、高速道路などでの車線変更が俊敏になるわけです。これもなかなか快適な仕組みです。

前に乗ってた車が4WS装備車で、思いのほか小回りが利いたので、いまの車も4WSオプションを付けました。

これによって、全長5メートルの車の最小回転半径が5.2メートルという、驚きの数値になっています。

え〜っと、全長4.6メートルの新型プリウスの最小回転半径が5.4メートルと言えば、おわかりいただけますか。

あるいは、全長5メートルのアルファードの最小回転半径は5.9メートルですよ。普通はそんなものなのです。

4WSのおかげで、狭い交差点や駐車場では、たしかに威力を発揮します。すごく小さく曲がれます。

ただし、バックが苦手です。たとえば車庫入れでは、ハンドルが切れすぎて思うようにバックできません。

何度も何度もハンドルを調整しながら、お尻をウネウネさせながらバックするので、まるで初心者の運転です。

買って2年近くたつというのに、いまだにわが家のガレージに、まっすぐ入庫できたためしがありません。