マイコプラズマ感染に使う薬

マイコプラズマの流行が、全国的にジリジリと拡大中です。熊本市の定点あたり報告数は3に達しました。

当院の、過去1週間の感染者数(簡易検査陽性者数)は7人。当院が定点医療機関なら、報告数は7です。

年齢は8歳〜18歳。7症例それぞれの病状(咳と熱)は、

・7日前から咳、昨日から熱(最高39.0度)、クラスに休んでいる子がいる

・3日前から咳、3日前から熱(39.0)、周囲の発熱者不明

・8日前から咳、10日前から熱(38.0)、クラスに発熱者いない

・2日前から咳、2日前から熱(39.0)、クラスに発熱者いない、部活に発熱者がいる

・6日前から咳、昨日から熱(38.9)、クラスに咳の子がいる、部活にマイコプラズマいた

・10日前から咳、2日前から熱(38.3)、友達が咳していた

・3日前から咳、3日前から熱(40.0)

咳が先行し遅れて高熱が出るケースが多いですが、先に高熱が出ることもあります。いずれも経過が長いです。

潜伏期が2週間と長いため、発症したときにはもう、周囲に感染元がいないということなのでしょうか。

ひどい咳と高熱で苦しい患者さんがほとんどなので、基本的には抗生剤を処方しています。

いま当院で第一選択としているのは、マクロライド系の「ジスロマック」(一般名アジスロマイシン)です。

1日1回、3日間服用すると、効果が7日間持続する(有効な組織内濃度が持続される)という、便利な薬です。

この薬の進化版として、15年前に、1回飲んだら7日間効くという「ジスロマックSR」が発売されました。

たった1回なのですが、60mlの水に溶かして飲む粉薬で、服用後2時間絶食が必要という、面倒な薬でした。

残念ながら3年前に販売が中止となりました。適応症が限られるのと、量が多くて飲みにくい薬だったのです。