つるはらクリニックは、開院17周年を迎えました。
これもひとえに、皆様方の温かいご支援のおかげです。厚く御礼申し上げます。
開業を決意したのは、開院の約1年前のことでした。
その少し前から考え始めていたのですが、学会でバンコクに行っていたときに、最終的に決断しました。
心臓外科医として日々の診療に邁進しているときには、独立開業への思いを煮詰める余裕がありませんでした。
国内学会に出かけても、現地で会うのはいつもの顔ぶれだし、緊急事態があればすぐ熊本に戻る覚悟でした。
ところが海外の学会だと、すぐには帰国できないし、非日常かつ異国情緒に癒やされて開放的になるんですね。
実はその前年にも学会でイタリアに行ったのですが、そこで初めて、何かから解き放たれた気がしたのです。
学会発表のプレッシャーをはるかに凌駕する高揚感に包まれ、とても有意義な経験をさせていただきました。
バンコクから帰国したその足で医局の教授にご挨拶に伺い、開業の意思をお伝えし、了承していただきました。
開業してしばらくの間は、それこそ国内学会にすら行かず、ひたすら自院での診療に集中しました。
熊本地震でくじけそうになったのは、開院8年半後のこと。スタッフのおかげで乗り越えることができました。
その反動か、急に学会活動をしようという気になり、久々にアカデミックな刺激を受けるようになりました。
さらにそれと同時に、学会とは無関係に、あちこちを航空旅行する楽しみを覚えてしまいました。
ところが、コロナ禍が、これらの活動や刺激や楽しみや息抜きをすべて、いったん奪ってしまいましたね。
国のウィズコロナへの政策転換を時期尚早だと当初は思いましたが、まずまず妥当だったと今は考えています。
同年代の先生方の訃報を耳にすることが近年増え、自分の健康管理についても考え直しつつあります。
また同時に、やりたいことをできるうちにやろう、という発想も湧いてきました。まあゆっくり構想中です。
つるクリ18年目は、これまでと同じ診療スタイルで臨んでまいります。日曜祝日診療も続けますよ。
これからも、どうぞよろしくお願い致します。