久々の「個人防護具の配布希望調査」

熊本県健康福祉部健康危機管理課から、「個人防護具の配布希望調査」が来たので回答しました。

コロナ禍において国が備蓄した「個人防護具」が、時々こんな形で「発熱外来」向けに放出されてきました。

今回配布されるのは、N95マスク、ガウン(3種類)、非滅菌手袋の3点。

熊本県の場合は、「熊本県電子申請システム」の専用フォームに、それらの希望数を入力して申し込みます。

もちろん、必要な数を要求するわけですが、そのためには、現状の使用数を概算する必要があります。

当院は日曜祝日の発熱外来受診者が多く、週あたりの使用数はマスク200、ガウン50、手袋300程度です。

ただし、N95マスクを使うことは最近ほとんどないので、今回はガウンと手袋を要求しました。

今年度の配布が今回だけだと仮定して、約5カ月分(20週間分)ほどの数量を入力することにしました。

過去に国や県から受け取った個人防護具は、役に立った物もあれば、粗悪(劣悪)品もありました。

たとえばフェイスシールドは、簡素すぎてまったく使いたくなる品ではありませんでした。ほぼゴミです。

ガウンも、モノによっては使い物になりません。資源のムダとしか言いようのないものです。

マスクは、市販のサージカルマスクが安くて高品質なので、いまさら「配給」を受ける必要を感じません。

品質にムラが大きいのが、非滅菌手袋ですね。大穴があいていたり裂けていたりと、信頼性に欠けます。

コロナ禍のバタバタで、いったい国はどんだけ物品を備蓄したんでしょうね。しかも安物を。

などと言いながらナンですけど、もらえるモノはもらいますよ。

爆破予告の愉快犯

「爆弾を仕掛けた」と予告する犯罪行為の、その目的を考えてみました。

(1)脅迫:脅して金品等を要求する。実際に爆弾を仕掛けるかどうかは別問題。

(2)テロ:実際に爆発させる。恐怖を煽るために、爆弾設置場所を明かさないで予告したりする。

(3)愉快犯:脅して困らせて楽しむ。脅迫対象や警察やメディアが大騒ぎすればするほど興奮する(変態)。

日本ではたいてい(3)でしょうから、メディアの報道自粛が効果的かもしれません。

そういった意味で、先週起きた高知県南国市の失態は、結果的には愉快犯に打撃を与えたことでしょう。

なにしろ、「学校に爆弾を仕掛けた」という脅迫メールに、予告時間を過ぎても気付かなかったのですから。

「これは脅しではなく本当に爆破する」とも書かれていたそうで、これ以上恥ずかしい犯行もないでしょう。

この手の脅しには、屈しない・無視することが肝要ですが、脅し自体に気付かないのが最上の策なんですかね。

最近、インド発着の航空機への爆破予告が相次いでいて、この1週間ほどで約70件に上っているとのこと。

いずれも爆発物は確認されていないそうですが、緊急着陸したり引き返したりと、空の便は大混乱しました。

そのような大迷惑な犯罪が、SNS1本で成立するという、その気軽さが愉快犯を生みやすいのでしょうか。

昨年は日本でも、成田から福岡に向かっていたジェットスター機への爆破予告騒ぎがありました。

セントレアに緊急着陸したのですが、脱出スライドで降機する際、乗客の1人が仙骨骨折の重症を負いました。

この件では、離陸前に予告電話が入っていたのに離陸させたという、別の問題も浮き彫りになりました。

爆破予告という大迷惑な脅迫行為は、たとえ愉快犯であろうと、厳罰に処するべきです。

ただしその法改正を促すために、政治家の乗った飛行機の爆破予告をする、なんてのは本末転倒ですけどね。

かぐわしいかクサいか

台湾土産のうち、パイナップルケーキとチョコは好評でしたが、食用「ヒマワリの種」がスタッフに不評です。

袋を開けたとたん「ハミガキのような臭い」がしたそうで、皆が口々に「無理」だと言います。

昨年の、ベトナム土産のフルーツチョコ以来の、大ブーイングです。

ホノルルやシンガポールの土産は好評でしたが、いずれも特徴の無い、ただのマカダミアナッツチョコでした。

そんなのじゃつまらないので、地元のスーパー「全聯福利中心」で、庶民的な菓子を買ってみたのです。

ちなみのその店の2階は、「流行服飾館しまむら(思夢樂)」です。たぶん庶民的な服を売ってると思います。

「海監香瓜子大粒豊葵」という名称のヒマワリの種の菓子の一部を自宅に持ち帰り、家人と食べてみました。

するとこれが台湾風の良い香りで、けっして悪臭ではありません。囓ってみると、香ばしくて美味しいのです。

ある食品の臭いを、よい香りと感じるか、クサいと感じるか。どうやらそれは年齢による違いもありそうです。

生涯にわたって嗅いできた無数の臭気経験によって、嗅覚が寛容(あるいは鈍感)になっているのでしょうか。

こういうのを円熟(あるいは老化)というのか、それとも単に嗅覚受容体が減ってるのか(退化)。

次に台湾に行ったら、絶対「臭豆腐」を食べてみよう。

必携品を突き詰めれば、パスポートとスマホ

海外旅行に出発する朝、再確認する携行品の優先順位は、1.パスポート、2.スマホ、3.クレカ、4.現金、です。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-4495.html" target="_blank" title="現金を忘れた">現金を忘れた</a>ことが2度あります。途中で気付いてなんとかなりました。現地通貨への両替に必要ですからね。

パスポート忘れは論外ですが、スマホも、通話やカメラ以外の「デジタル用途」で航空旅行には必需品です。

チェックインはもっぱらオンラインだし、空港では様々な局面でスマホが必要になります。

ANAは出発24時間前からオンラインチェックインできますが、海外の航空会社はたいてい48時間前からです。

なので今回の台湾旅行では、出発前夜のうちに、自宅で往路と復路のチェックインを済ませました。

保安検査場も搭乗口も、スマホのWalletに登録したQRコードで通過できます。もちろんパスポートも必要。

手荷物を預ける場合は、自動チェックイン機で手荷物タグを発行し、自動手荷物預け機で預けます。

この操作は全て乗客が1人で行うことができるのですが、実際には近くにいる係員が手伝ってくれました。

「オンライン」とか「自動」とか「セルフ」とかいいますが、結局、人の手を借りることになったりします。

そうでなくても私は「紙搭乗券」が好きなので、結局カウンターで発券してもらうことが多いですね。

紙搭乗券を集めるのが趣味なのと、もしもスマホにトラブルがあっても紙があればなんとでもなるからです。

さらに「eチケット」も、紙に印刷して携行しています。デジタルがトラブったら紙でしのぐ。これ基本です。

保険証が、マイナ保険証に1本化されようとしていますが、システムトラブル時に面倒なことになりそうです。

紙(プラスチック)ベースというアナログな回避策は、やはり必要だと思うんですけどね。

台湾は今日も「無事」でした

無事、帰熊しています。「台湾有事」は杞憂に過ぎませんでした。「台湾無事」でした。

1泊2日の強行軍には慣れていますが、バスと地下鉄の移動が多くて疲れました。私、飛行機以外は疲れます。

昨夜は結局、庶民的な地元料理店はどこも満席等で入れず、中途半端な中華料理店で食事しました。

「臭豆腐」の臭い(臭豆腐臭)は嗅ぎました。食べられそうな気はしました。でも食べませんでしたけど。

「観光」したのは、台北市の都心部だけですが、しばらく歩いて感じたのは、すごい都会だということですね。

超高層ビルもあれば、古い寺社もある。道路が綺麗でなぜかあまり渋滞していません。バイクは多い。

高いところが好きなので当然「台北101」には行きました。一時期、世界一高い建築物でしたから。

時間帯が合わず、展望台には登れませんでしたが、何しろ高すぎて、下から見上げると吐き気がしそうでした。

青空に突き出したビルの後ろを雲が変形しながら流れるので、ビルが揺れているように見えるんですね。

「MRT」用のプリペイドカード「EASY CARD」が便利だと昨日書きましたが、落とし穴がありました。

残高が簡単には確認できないんです。で、残高不足のまま電車に乗るという失態をやらかしてしまいました。

改札を出ようとすると警告音が鳴り、赤い×印のアラートが出ました。残高不足なので精算せよとのこと。

空港の駅で「オトク」だと言われて買ったチャージ済みのカードなのに、空港まで往復できないという。

私と同じような乗客が続出していたので(ざっと見て、3人に1人ぐらい)、どこかに問題がありそうです。

ホテルや空港の人は、台湾の言葉と、クセ強な英語と、人によっては日本語も少し喋ってくれます。

日本の植民地支配を経ていながら、それを乗り越えて「親日的」であることは、ホントにありがたいことです。

初めての台湾

台北に来ています。私には初めての台湾旅行です。

来るべき「台湾有事」に備えて、いや冗談抜きで、行けるうちに行っておこうと最近計画したものです。

中国が台湾周辺での軍事演習を繰り返しています。どうか私の旅行中は「台湾無事」であってほしいです。

TSMCの進出で、熊本は台湾とのつながりが強まりました。台湾に出張・赴任する方の話もよく聞きます。

熊本空港からの直行便も増えましたが、今回は諸事情があって、福岡空港から台北(桃園)入りしました。

時差は1時間(日本よりも遅い)。地下鉄MRTが便利なので、空港で「EASY CARD」を買うのがよいですね。

今回は台北には1泊するだけなので、観光する余裕があまりありません。おもに飲食のツアーです。

ていうか私の場合、そのような短い旅行が多いのです。まあその代わり、ちょこちょこ行かせてもらってます。

観光よりも航空旅行を楽しむ私からすると、旅行は「回数」が多いほど経験値が増やせて充実感がありますね。

今回は初めて「EVA AIR(エバー航空)」を利用したし、福岡空港からの海外渡航もほぼ6年ぶりでした。

「EVA」なのに「エヴァ」じゃない。サービスのことは、云々できる飛行時間ではないのでノーコメント。

福岡空港国際線は保安検査場が狭いですね。時間帯によっては大行列になります。出国審査は十分広いのに。

新装の「ラウンジ福岡」は、新しいのは良いけれど、食事メニューがちょっと少ないですかね。

羽田や成田と比べるのは酷でしょうけど、福岡から渡航したい、と思わせる工夫をぜひ、お願いします。

ラウンジの筑前煮がほぼ品切れだったのも、減点対象。あ、すみません。台湾の話ね。明日また書きま〜す。

遅発性筋肉痛はどんどん遅くなる

書斎を片付けています。構想十余年ですが、いまだに途上です。

片付けるためにはモノを減らさなければなりませんが、断捨離が苦手な私には容易ではありません。

そこで思いついたのが、書斎のモノを別の部屋に移動させてしまえという「画期的な書斎片付け法」でした。

ただし私の場合、それを思いついた時点で十分満足してしまい、以後1年以上、何も進展していませんでした。

しかしこれではイカンと、このたび大型で頑丈な収納棚を購入し、背水の陣で臨むことにしたのです。

寝室の、採光用の小窓が並ぶ壁側に、高さ2メートル、幅1.2メートルのオープンシェルフを2つ並べます。

さて先日、長く巨大な段ボール箱に入った商品が2箱、玄関先の自転車置き場に配送されました。

本体重量は1個当たり40キロ。たぶん段ボールは1箱45キロぐらいありそう。1人ではびくとも動きません。

家人と2人がかりで屋内に運び込もうとしましたが、無理。微動だにしません。家人は早々に退却。

やむを得ず、玄関先で段ボールを開き、中身だけを取り出すことにしました。これは正解でした。

棚板などの部品をすべて屋内に運び入れ、それを2階の寝室まで運び上げました。もちろん1人でやりました。

さらに、やる気のあるうちに組み立てました。本来は2人でやるべき作業を、1人で2時間半かけてやりました。

ついに棚は、1個だけですが見事に完成しました。そして予想した通り、足腰をひどく痛めてしまいました。

翌朝、痛む足腰を引きずって職場に向かいましたが、さいわい診療中に痛みは徐々に改善していきました。

でも油断なりません。案の定、その翌日の方が、むしろ腰痛や大腿部痛はひどくなりました。

さらに作業の3日後である昨日の方が、むしろ痛みが強まりました。人間、60代にもなると、こうなるんです。

今日になって、筋肉痛はどうやら峠を越えたようです。ピークは昨日でしたね。念のため湿布は貼っています。

さて、棚はもう1個あるんですけどね。組み立て作業は無期延期中です。

予診票のトラップ

予防接種などの予診票は、その日の体調だけでなく、既往症やアレルギー歴を知るための重要な情報源です。

また、過去のワクチンの接種歴や接種間隔を知り、今日の接種が適切であるかどうかの判断材料ともなります。

とはいえ、とくにお子さんの定期接種では、ワクチンの数だけ予診票を書かなければならず、かなり面倒です。

同時接種ワクチンの一括問診票を備えた自治体もあり、その親切な発想をぜひ熊本市も採用していただきたい。

予診票の質問欄の「はい・いいえ」の選択肢は、おおむね右側を選べばOKに作られていることが多いですね。

もちろん例外もあります。テキトーに選んでいたのでは間違いの元ですから、よく読んで回答しましょう。

時々、ある一行だけ左側を選ぶような設問を紛れ込ませている、トラップのような予診票にも遭遇します。

いま当院が使っている中で、最強のトラップを備えているのは、風しん抗体検査の受診票でしょう。

設問数は少ないのですが、風疹罹患歴や検査歴や予防接種歴などが細かく問われ、考え込むような内容ですね。

そしてその面倒な部分をクリアすると、署名欄のすぐ上に、次のような同意確認のチェック欄があります。

「風しんの抗体検査の実施に関する同意書」

  □ 私は、風しんの抗体検査をうけることを希望いたしません

これはチェックを入れないのが正解です。ていうか、どうして「希望しない」がデフォルトなんでしょうね。

熊本市は、できることなら検査を踏みとどまらせたいのですか。市の財政がひっ迫してますか。

そもそも、医療機関を受診して、面倒な予診票も書き上げて、「でも検査は受けません」て人がいるんですか。

と思ってたら、最近この欄にチェックを入れた人に遭遇しました。いやもちろん、間違いにきまってます。

カセットコンロ爆発

仙台市の河川敷で芋煮会中に、カセットコンロのガスボンベが爆発し、大学生5人が軽いやけどをした件。

「芋煮」会とは言うものの、同時に「肉焼」することもよくあるようで、爆発したのはそっちの方ですね。

以前私は、BBQの炭の火をおこすために、カセットコンロで炭を加熱していたことがありました。

網の上に炭を山盛りに乗せて火をつけるだけなので、とても簡単でした。

しかしすぐに、これはとても危険な行為だと知りました。炭からの輻射熱でボンベが加熱されるからです。

私はすぐにこの方式をやめ、正しく火おこしをするようにしました。

加熱している物が強い遠赤外線を発する場合、その輻射熱によってボンベが過熱し爆発する危険があります。

仙台の事件現場のニュース映像を見ると、コンロの上には4cm厚ぐらいの正方形の物体が乗っています。

ただ網で肉を焼いていたのではなく、脂を受けるためか、金属製に見える器具が使われていたようです。

もしもこの中に、遠赤外線効果を狙った炭とか石とかを入れていたら、強い輻射熱が出そうです。

そうでなくても火とボンベが近いカセットコンロでは、煮物は安全だとしても焼き物は要注意ですね。

火とボンベの間に、アルミホイルで包んだ濡れ布巾を置くと良いという裏技もあります。

まあしかし、そんな中途半端なことをせず、野外で肉を焼くなら最初から炭火にしましょうよ。

インフルエンザ、そろそろ流行期か

近隣の小学校で、昨日からインフルエンザとマイコプラズマで学級閉鎖のクラスがあるとの報告を受けました。

当院の今日の発熱外来でも、インフルエンザの陽性者が出ました。マイコプラズマも出ました。

近年季節感を失っている季節性インフルエンザですが、そろそろ流行が始まろうとしてるのでしょうか。

当院は明日も明後日も発熱外来を行いますが、この勢いでは検査キットが足りなくなるかもしれません。

コロナは数十回分を常備しているものの、インフルエンザとマイコプラズマはそこまでの在庫がありません。

慌てて業者に電話すると(担当者の携帯に電話すると)、キットを持って来てくれました。ありがたい。

そんな中で今日は、0歳児から88歳の高齢者まで、55人の方にインフルエンザワクチンの接種を行いました。

すでに今期2回目の接種のお子さんもいます。1回目を9月に接種した、今期一番乗りの方たちです。

インフルエンザワクチンは例年、いつごろ接種するのが良いのかという質問を受けます。

早すぎると流行前に効果が切れてしまうし、遅すぎると流行に間に合わない、というジレンマがあるのです。

ポイントとなるのは、いつごろ流行するのか、という予測。それが分かれば苦労はしませんけどね。

2回接種を行う子どもの場合、いつ流行しても間に合うように、1回目は早めの接種をお勧めしています。

そのかわり2回目は、流行の兆候を見極めながら、接種時期を流動的かつ迅速に決めなければなりません。

1回目との間隔が4週間以上あいても、6週間あいてもかまいません。時機を逃さないことが肝要です。