爆破予告の愉快犯

「爆弾を仕掛けた」と予告する犯罪行為の、その目的を考えてみました。

(1)脅迫:脅して金品等を要求する。実際に爆弾を仕掛けるかどうかは別問題。

(2)テロ:実際に爆発させる。恐怖を煽るために、爆弾設置場所を明かさないで予告したりする。

(3)愉快犯:脅して困らせて楽しむ。脅迫対象や警察やメディアが大騒ぎすればするほど興奮する(変態)。

日本ではたいてい(3)でしょうから、メディアの報道自粛が効果的かもしれません。

そういった意味で、先週起きた高知県南国市の失態は、結果的には愉快犯に打撃を与えたことでしょう。

なにしろ、「学校に爆弾を仕掛けた」という脅迫メールに、予告時間を過ぎても気付かなかったのですから。

「これは脅しではなく本当に爆破する」とも書かれていたそうで、これ以上恥ずかしい犯行もないでしょう。

この手の脅しには、屈しない・無視することが肝要ですが、脅し自体に気付かないのが最上の策なんですかね。

最近、インド発着の航空機への爆破予告が相次いでいて、この1週間ほどで約70件に上っているとのこと。

いずれも爆発物は確認されていないそうですが、緊急着陸したり引き返したりと、空の便は大混乱しました。

そのような大迷惑な犯罪が、SNS1本で成立するという、その気軽さが愉快犯を生みやすいのでしょうか。

昨年は日本でも、成田から福岡に向かっていたジェットスター機への爆破予告騒ぎがありました。

セントレアに緊急着陸したのですが、脱出スライドで降機する際、乗客の1人が仙骨骨折の重症を負いました。

この件では、離陸前に予告電話が入っていたのに離陸させたという、別の問題も浮き彫りになりました。

爆破予告という大迷惑な脅迫行為は、たとえ愉快犯であろうと、厳罰に処するべきです。

ただしその法改正を促すために、政治家の乗った飛行機の爆破予告をする、なんてのは本末転倒ですけどね。