予診票のトラップ

予防接種などの予診票は、その日の体調だけでなく、既往症やアレルギー歴を知るための重要な情報源です。

また、過去のワクチンの接種歴や接種間隔を知り、今日の接種が適切であるかどうかの判断材料ともなります。

とはいえ、とくにお子さんの定期接種では、ワクチンの数だけ予診票を書かなければならず、かなり面倒です。

同時接種ワクチンの一括問診票を備えた自治体もあり、その親切な発想をぜひ熊本市も採用していただきたい。

予診票の質問欄の「はい・いいえ」の選択肢は、おおむね右側を選べばOKに作られていることが多いですね。

もちろん例外もあります。テキトーに選んでいたのでは間違いの元ですから、よく読んで回答しましょう。

時々、ある一行だけ左側を選ぶような設問を紛れ込ませている、トラップのような予診票にも遭遇します。

いま当院が使っている中で、最強のトラップを備えているのは、風しん抗体検査の受診票でしょう。

設問数は少ないのですが、風疹罹患歴や検査歴や予防接種歴などが細かく問われ、考え込むような内容ですね。

そしてその面倒な部分をクリアすると、署名欄のすぐ上に、次のような同意確認のチェック欄があります。

「風しんの抗体検査の実施に関する同意書」

  □ 私は、風しんの抗体検査をうけることを希望いたしません

これはチェックを入れないのが正解です。ていうか、どうして「希望しない」がデフォルトなんでしょうね。

熊本市は、できることなら検査を踏みとどまらせたいのですか。市の財政がひっ迫してますか。

そもそも、医療機関を受診して、面倒な予診票も書き上げて、「でも検査は受けません」て人がいるんですか。

と思ってたら、最近この欄にチェックを入れた人に遭遇しました。いやもちろん、間違いにきまってます。