HPVワクチンが足りなくなりそうだと、メーカーや納入業者から「限定出荷」の連絡が来ました。
9月30日の1日のみの全国受注量が22万本と、通常の約半月分の受注量だったことを受けての措置だそうです。
実際にはまだワクチンは足りているのですが、本当に欠品になる前に、供給量を抑えておこうというわけです。
メーカー曰く、「限定出荷の期間中は、予約に応じた随時購入へのご協力をお願い親します」とのこと。
つまり、余計な在庫は置かず、使う分だけ発注しろという、一見至極もっともな話です。
しかし、この時期に駆け込み接種が殺到することなど去年から予測できたのに、ワクチン不足とは呆れます。
「接種期限が迫ってますよ」と煽っておきながら、「皆が接種するからワクチンが足りません」ですからね。
当院は、このワクチンを日曜と祝日にも希望者には全員に接種している、県内では唯一の医療機関です。
なので「今日打てますか」という問合せにはすべて対応すべく、十分な在庫を持っておきたいのですけどね。
今後ワクチンは、キャッチアップ接種の完了を妨げないように、医療機関の最近の実績に応じて配分されます。
つまり、すでに1回目のキャッチアップ接種を終えた方の2回目の接種分は、優先して供給するということです。
なので今月以降に慌ててキャッチアップ接種を始める方へのワクチンは、十分に入手できないかもしれません。
当院でキャッチアップ接種をすでに開始した方の2回目以降は、当然優先して接種を完了させたいと思います。
しかし、まだ接種を開始していない方が今月からでも接種をご希望なら、その方こそ最優先したいところです。
一方で、他院で接種を始めた方が当院での2回目以降の接種をご希望の場合は、お断りするかもしれません。
ともかくこの件は、第1にメーカーが、第2に国の施策が、そして第3に不要在庫を抱えている医療機関が悪い。
今回の不手際を踏まえて、キャッチアップ接種については半年程度、期限を延長するべきでしょう。