人間の証明

「消火栓の画像をすべて選択してください」

どこかのサイトに入るとき、ロボットではないことを証明するために、妙なテストを受けさせられたりします。

そんなことで人間かどうかわかるんですかね。AIなら難なく正答しそうなものですが。

当院の敷地に隣接して「消火栓」と書かれた消火設備がありますが、それは赤い箱形です。

件の画像選択テストに出てくるようなレトロな消火栓は、最近日本ではあまり見かけないタイプですね。

時々その形の消火栓を目にするのは、米国の映画で暴走車が衝突して水を噴き上げたりするシーンぐらいです。

今朝、某サイトに入ろうとしたら久々に、消火栓を選べという課題が現れました。パネルは9枚。これは楽勝。

ところが、ヒョイヒョイッと気軽に選んだつもりの私の回答が間違ってたようで、次は横断歩道を選べ、だと。

あ〜、ちょっとだけ白線をかすってるパネルは、横断歩道に含めるんですかね。意外と難しくて、結局ダメ。

次のお題は自転車ですか。バイクはだめなんでしょ。乗ってる人が写ってるパネルはどうすんのかね。不正解。

その後、バスも橋も信号機も山も失敗し、また消火栓が出てきました。だいたい、山の定義って何ですか。

ほとんど憤りを感じながらも、意地で30回ぐらい続けましたが、全敗。最終的に諦めました。

これって、サイト側のシステム障害じゃないの。それとも私の認知システムの障害?

少なくとも、こんなに失敗し続けるロボットなんていませんよ。その意味で、人間の証明になりませんかね。

コロナ打つならインフルも

毎年10月から、当院ではインフルエンザワクチンの接種を行っています。各医療機関とも同様でしょう。

また今年は、新型コロナワクチンの接種も、10月から再開することになります。今回から有料です。

熊本市では、65際以上を対象とした新型コロナワクチンの定期接種は、窓口負担が3,260円になる予定です。

64歳以下の方の場合、基礎疾患のある方でも、大抵の方は定期接種の対象には入らないので注意が必要です。

市によると、64歳以下では「身体障がい者手帳1級相当」の方が対象となっており、かなり厳しい基準ですね。

コロナワクチンは納入価格がかなり高額なので、任意接種の料金設定をどうするか、いまだに悩み中です。

かかりつけの方で任意接種を希望する方に限定して、ひっそりと接種を行うことになろうかと考えています。

いまかかりつけの方に、接種の希望をお尋ねしているところですが、反応は半々かそれ以下です。

無料でも接種を途中でやめた方々が、有料なのに接種する可能性はあまり無いでしょうね。

一方で65歳以上の定期接種は、窓口負担金が当初の予想より安価でもあり、対象者へ接種を推奨する予定です。

できれば希望者には、コロナワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種を提案したいこところです。

昨年も多くの方に同時接種をしましたが、特段の問題は起きませんでした。

中にはむしろ、肩(コロナ接種部)よりも腕(インフル接種部)の方が痛かった、という方さえいました。

コロナワクチンは、インフルエンザワクチンに限らず他のワクチンとの同時接種が、いまは認められています。

65歳といえば、肺炎球菌ワクチン接種の対象でもあります。対象の方は、この際、3本同時接種しますか。

サル痘の予防法は種痘だけなのか

「サル痘」改め「エムポックス」が、一部の国でまた感染拡大しているとのこと。気になりますね。

「ツイッター」改め「エックス」と似ていることも気になります(なりませんか)。

サル痘(Monkeypox)という呼称が誤解や偏見につながるから変えようなんて、まったく猿に失礼な話です。

「Monkey」の頭文字だけ残して「Mpox」にするという、その中途半端なやり方もどうかと思います。

ただ、WHOが9年前に示した指針に基づいいた、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1331.html" target="_blank" title="動物愛護の精神からの名称変更">動物愛護の精神からの名称変更</a>の側面もあるかもしれません。

エムポックスの原因ウイルスは「ポックスウイルス」の一種で、他に似た様な感染症がたくさんあります。

「牛痘」「豚痘」「ラクダ痘」「ヒツジ痘」「ヤギ痘」なんてのもありますが、名称はどうするのでしょうね。

「水いぼ」もこの種類のウイルスによる疾患ですが、「水痘」とは言いませんね。それはまた別の感染症。

その「水痘(水ぼうそう)」を英語で「Chicken pox」といいますが、病原はヘルペスウイルスの一種です。

「chicken」からくる誤解や偏見を防ぐために「Cpox」に名称変更しよう、という話はなさそうです。

さてエムポックスですけど、この2年間で、すでに国内でも200人以上の発生があるんですね。

水痘とは異なり、顔や手足や口や肛門周囲に発疹ができやすいということで、まるで手足口病じゃないですか。

予防にはワクチンが有効だといいます。海外では不活化ワクチンが用いられていますが、日本では未承認。

日本でエムポックス予防に使えるのは、KMB製の生ワクチン「乾燥細胞培養痘そうワクチンLC16」です。

その接種手順ガイドには、「二又針で15回を目安として少し血がにじむ程度に圧刺する」とあります。

結局「種痘」ですか。ちょっとこれは、有事の際に接種者となるのは荷が重いというか、躊躇しますね。

空港に刃物を持っていかないこと

札幌新千歳空港が昨日、「ハサミ紛失事件」によって、かなり混乱したようです。

数年前に<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2914.html" target="_blank" title="大阪伊丹空港">大阪伊丹空港</a>でも、乗客が持ち込もうとしたハサミを保安検査がスルーした騒動がありました。

このような事態が起きた場合、安全対策としてハサミの所在を突き止める必要があります。すなわち、

(1)制限エリア内にいる乗客全員をエリア外に出し、全員の保安検査をやり直す

(2)制限エリア内にハサミが無いかどうか、くまなく探す

昨日の札幌は、制限エリア内の店舗でハサミが紛失したもので、やはり(1)(2)をやる羽目になりました。

Uターンラッシュを直撃し、遅延201便、欠航35便という大惨事となりましたが、ハサミは見つからず。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-4194.html" target="_blank" title="沖縄那覇空港">沖縄那覇空港</a>では、去年も一昨年も、カッターナイフ持ち込み事件で騒動がおきたことがあります。

そもそも、どうして空港にカッターなんて持ち込むんですか。「持ち込みたカッター」なんていうのかね。

原因は異なりますが、いずれも多数の乗客に影響を及ぼした重大迷惑事件です。賠償はどうなるのでしょう。

昨日の事件は特殊例ですが、少なくとも乗客は、最初から空港に刃物を持って行くなってことです。

窓側が好き

飛行機は、可能な限り窓側の座席にします。機窓の景色を眺めるのが好きだからです。

タキシング中から離陸、巡航中から着陸に至るまで、滑走路や川や島や雲のビデオや写真を何枚も撮ります。

それと並行して編集作業も行わなければならず、機内では機長の次に忙しいことは前にも書いた通りです。

さて、機窓の美しい風景を撮るためには、窓側席は当然として、適切な「列」を選ぶ必要があります。

それは単に、翼に邪魔されない位置、というだけではなく、窓との位置関係が重要だからです。

皆様お気付きのように、飛行機の座席の間隔は窓の間隔より広く、しかし窓2つ分の間隔よりは狭いです。

そのため、ひとくちに窓側席と言っても、窓が2つある席と、窓が1つしかない席が存在することになります。

前者では座席の真横と前方に窓があり、シートベルトを装着したままでも眺望良好で撮影にも適しています。

しかし後者では窓が斜め前方に1つしかなく、撮影の際は身を乗り出す必要があり、とくに動画では疲れます。

座席と窓の位置関係を「窓割り」と呼び、機材ごとにまったく異なるため、座席指定の際には注意が必要です。

そんなとき、実際の窓割りを自ら調べて公表している、ヲタクな人たちの情報が役に立ちます。

彼らは飛行機最後部に搭乗して、降機の際にすべての座席と窓を撮影しているのです。ヲタク、恐れ入ります。

余裕のある旅行計画を

台風7号が関東地方に最接近しています。いま、銚子沖を通過中です。

比較的早めに進路が東寄りに曲がり、本土への影響は5年前の台風より小さいかもしれません。

台風によって各地に被害が出るので、少なくとも大人になってからは、台風には良い思い出が何もありません。

しかし子どもの頃は、台風が接近してくるとなると何かその非日常の雰囲気にワクワクするものがありました。

テレビで見た台風進路を自分の地図に転記し、2階のベランダに設置した風速計で風速を測って記録しました。

私の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-257.html" target="_blank" title="過去の台風被害">過去の台風被害</a>については以前も書きましたが、なかでも最悪だったのは5年前の千葉直撃の台風です。

台風通過後の地上交通の麻痺によって<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2897.html" target="_blank" title="成田までたどり着けず">成田までたどり着けず</a>、ホノルル行きの飛行機に乗れなかったからです。

飛行機の遅延や欠航の影響を受けたとき、「イレギュラーはご馳走」だとパラダイス山元氏は喜ぶそうです。

仕事に穴を空けたり重大な予定に影響しない限りではありますが、不測の事態を楽しむ心意気なのです。

そんなことも参考にして私も海外旅行では、帰国日が1日遅れても良いような、余裕のある旅程にしています。

例えば4連休の間に旅行に行くときは、最終日を予備日として、3日目までに帰国するようにしています。

なので欧米に行くには日数が足りず、どうしても東南アジア中心の旅行となってしまいます。

しかも現地滞在時間をできるだけ短くするような、「弾丸旅行」ばかりをしてきました。

とくに今回のような台風で帰国便が欠航になる最悪の事態は、つねに考慮して予定を組まなければなりません。

逆に言うなら、旅行を堪能しようと思えば、4連休程度の臨時休診では足りないということです。

昨年12月に6連休したり、今年5月に4日半ほど休診したのは、そのような理由でした。

今後も時々連休させていただきますが、その代わり日曜祝日診療は続けますので、どうかご容赦のほどを。

コロナは夏休み前がピークだったけど

毎週の感染症発生情報(週報)は、熊本県では毎週木曜日に、熊本市では毎週金曜日に公表されます。

「週報」とは、「5類」感染症について、月曜から日曜まで1週間の「定点報告数」を集計したものです。

熊本県が本日公表したのは、今年第32週(8/5(月)〜8/11(日))の報告数です。

熊本市が、これを明日にならなければ公表できない理由がよくわかりません。

ちなみに国(国立感染症研究所)はさらに遅く、第32週分のデータ公開は来週火曜日です。

最も新しい熊本県のデータを見ると、新型コロナは3週前(7/15〜21)をピークに、減少傾向が見られます。

大流行していた手足口病も、7月上旬をピークに減り続けています。ヘルパンギーナもほぼ同じ傾向です。

しかし、ただの風邪ではない何か名前の付いている感染症の中では、今もコロナがいちばん流行しています。

子どもたちの夏休みや、大人たちのお盆休みの間の人々の移動(人流!)で、来週以降の流行がどうなるか。

当院も明日まで盆休みで土曜日から診療を再開するので、まずは休み明けの土日の発熱外来が心配です。

コロナの遺伝子検出検査キットは、先週の内に多めの在庫を備えています。

インフルエンザや溶連菌やアデノウイルスやRSウイルスの検査キットも、十分に確保しています。

検査キットの在庫が切れて検査したくてもできない事態を、過去に何度も経験したことがありますから。

このところ当院ではほぼゼロに近かったインフルエンザも、先週は珍しく陽性者が出ました。

コロナ禍で多くの人のインフルエンザの免疫が低下している可能性があり、大流行の恐れがあります。

とそのように去年も思ったのですが、さて今年はどうでしょう。とりあえず、ワクチンは準備しておきます。

「阿蘇ファームランド」で遊ぶ

孫たちと一緒に、阿蘇ファームランドで遊びました。

前回ここに来たのは、熊本に引っ越してきたばかりの頃、2001年の5月のことなので、実に23年ぶりです。

その年の4月に熊本市民病院に着任し、最初の連休の行楽地として、ファームランドを選んだのでした。

その時に連れてきた子どもたちが、今回は孫を連れて来たわけで、なかなか感慨深いものがありました。

遊具で遊び、手づくり体験をして、ランチを食べ、動物とふれ合い、ソフトクリームを食べてから帰りました。

まあそれにしても暑かったですね。たぶん私はだいぶ日焼けしたと思います。他の者たちも皆バテ気味です。

祖父(じいじ)のおもな役割は、動画および写真の撮影と、時々だっこと、場所取りと支払いです。

運転の役は辞退させていただいたので、現地でビールを飲むことができました。これが実に旨かった。

お盆休み中の混雑を心配しましたが、始動が早かったためか、道路も現地も思いのほか混んでいませんでした。

観光客は韓国人もいましたがほとんどは日本人で、その代わり現地スタッフには外国人が目立ちました。

孫たちが「スノードーム」を作ったことや、カピバラに触ったことは多分、良い思い出になったことでしょう。

私の今日の思い出は、赤牛の肉が硬かったことと、カピバラの毛がひどい剛毛だったことです。

孫が集まる

朝から母とお墓参りをして、それから孫たちと遊んだり焼肉を食べに行ったりの1日でした。

6人の孫のうち4人がわが家に集い、走り回ったり絵を描いたりプールで遊んだり私の書斎でイタズラしたり。

この小さな従兄弟同士が、ときどき集まって楽しく過ごす機会を提供するのが、この先の私の使命です。

たまに会う孫たちは、それぞれ目を見張るような成長や飛躍を見せてくれて、いつも驚くばかりです。

みんなよく喋り、よく走る。鬼ごっこをすると、鬼の私が真っ先に音を上げます。

そんなガチャガチャしたところへ愛犬花ちゃんも参戦してくるので、余計にややこしいことになります。

少子化が進むいま、したがって従兄弟も減っているわけですが、私の経験上、従兄弟はとても重要な存在です。

親同士が兄弟の間柄、年齢が少しだけ違う、そんなところが友達とは異なる絆を生みます。

そしてなによりも、従兄弟たちには「共通の祖父母」がいる。なので祖父母の役割も大事です。

孫たちがもう少し大きくなったら、話しておきたいことや一緒にやりたいことがたくさんあります。

私自身、祖母からはいつも可愛がられた思い出が、祖父からは色んな話を聞いた思い出があります。

おそらく当時はそこが、祖父と祖母の役割の違いだったのかもしれません。

発熱外来は「ノド」外来

「心頭を滅却すれば火もまた涼し」

なかなかその心境にはなれませんね。まだまだ修行がたりません。

というわけで、明日からのお盆休みを前に、この猛暑の連休2日間の発熱外来を振り返ってみます。

発熱外来受診者は2日間で合計91人。そのうちコロナ検査を30人に実施し、陽性19人、陽性率63.3%でした。

陽性者のうち、38度以上の発熱があったのは12人。それ以外の7人は微熱または平熱でした。

咽頭痛のあった方は14人。相変わらず咽頭痛率は高いですが、のどが痛まない陽性者も一定数います。

咽頭所見の特徴は、ノドの手前側(軟口蓋や硬口蓋)は赤くなく、後壁のみが赤くやや腫れています。

扁桃はやや腫大して発赤も強い方が多いですが、白苔の付いた滲出性扁桃炎になることはあまりありません。

これらの所見から、溶連菌感染やアデノウイルス感染との鑑別は比較的容易です。

子どもの発熱では、いまなお手足口病やヘルパンギーナが多いですね。いずれもノドに発疹ができます。

前者の咽頭発赤は軽くて発疹のみが赤く目立ち、後者は赤い軟口蓋の中に白い発疹があることが多いですね。

また、硬口蓋に発疹が散在していたら手足口病ですが、ザラッと集まっていたらたいてい溶連菌感染です。

幸か不幸か、いまはインフルエンザがほとんど出ていません。今月の陽性者は当院ではまだ1人です。

インフルはそのうち流行し始めるんでしょうけど、咽頭所見がコロナと似ているのが面倒ですね。

目安としては、咽頭痛→熱の順ならコロナ、熱→咳の順ならインフルと、そんな感じで当たりを付けています。

いずれにしても典型的なケースばかりではないので、予想外の検査結果に驚かされる毎日です。