発熱外来は「ノド」外来

「心頭を滅却すれば火もまた涼し」

なかなかその心境にはなれませんね。まだまだ修行がたりません。

というわけで、明日からのお盆休みを前に、この猛暑の連休2日間の発熱外来を振り返ってみます。

発熱外来受診者は2日間で合計91人。そのうちコロナ検査を30人に実施し、陽性19人、陽性率63.3%でした。

陽性者のうち、38度以上の発熱があったのは12人。それ以外の7人は微熱または平熱でした。

咽頭痛のあった方は14人。相変わらず咽頭痛率は高いですが、のどが痛まない陽性者も一定数います。

咽頭所見の特徴は、ノドの手前側(軟口蓋や硬口蓋)は赤くなく、後壁のみが赤くやや腫れています。

扁桃はやや腫大して発赤も強い方が多いですが、白苔の付いた滲出性扁桃炎になることはあまりありません。

これらの所見から、溶連菌感染やアデノウイルス感染との鑑別は比較的容易です。

子どもの発熱では、いまなお手足口病やヘルパンギーナが多いですね。いずれもノドに発疹ができます。

前者の咽頭発赤は軽くて発疹のみが赤く目立ち、後者は赤い軟口蓋の中に白い発疹があることが多いですね。

また、硬口蓋に発疹が散在していたら手足口病ですが、ザラッと集まっていたらたいてい溶連菌感染です。

幸か不幸か、いまはインフルエンザがほとんど出ていません。今月の陽性者は当院ではまだ1人です。

インフルはそのうち流行し始めるんでしょうけど、咽頭所見がコロナと似ているのが面倒ですね。

目安としては、咽頭痛→熱の順ならコロナ、熱→咳の順ならインフルと、そんな感じで当たりを付けています。

いずれにしても典型的なケースばかりではないので、予想外の検査結果に驚かされる毎日です。