労働時間の比較、勤務医 vs. 開業医

日本医師会の調査によると、50代の開業医は同世代の勤務医よりも労働時間が長いことがわかったとのこと。

「時間外労働が月80時間」の過労死ラインを超える割合も、開業医の方が勤務医よりも高かったといいます。

しかしこれをもって、勤務医よりも開業医の方が長時間働いているから過酷だ、という結論にはなりません。

まず、病院の業務で残業している勤務医と、自らの意志で働く開業医とでは、労働時間の意味が違います。

しかしまた、開業医は労働時間を自分で決めることができるゆえ、長時間働いてしまう側面もあるわけです。

開業医には医事や経営や労務や営繕などの仕事もあり、それらは診療時間外や休日にしなければなりません。

そのかわり、勤務医の過労の一因でもある研究は、少なくとも私においてはだいぶ削減されてしまいました。

ただ、患者の要請に応えるために長時間働いている点では、勤務医も開業医も医師としての根本は同じです。

今回の調査において、いわゆる「自己研鑽」の時間の扱いはどうなのかが気になります。

勤務医ではそれが労働時間には含まれず、開業医はそれを労働時間に含んでいる可能性があります。

どんな職業でも、50代といえば知識と経験と体力とのバランスがもっとも良い年代。いちばんの働き時です。

その意味では、たしかに開業医もいちばん頑張る時期かもしれません。で、私はすでに60代なのですけれど。