定点あたり報告数から感染者数(全数)を推定する

新型コロナが「第11波」に突入していることは、報道等でもようやく周知されるようになりました。

とくにこの1年、経済・社会を回すために、世の中は敢えてコロナを軽視、または忘れようとしてきました。

「全数把握」が終了して感染者数が正確に分からなくなったこともあり、メディアの報道量は激減しました。

「定点あたり報告数」では感染のトレンドはわかっても脅威が伝わらず、国民の興味も失われました。

たしかにいま思えば、東京都の新規感染者数を見て全国民が一喜一憂するという、そんな毎日も異常でした。

とは言え、こう感染者が増えてくると、全数把握だったらいったい何人ぐらいだろう、と気になってきます。

実は、定点あたり報告数から、比較的正確に感染者数(全数)を推定することができます。

なぜなら、全数把握時代の定点医療機関の報告数がわかっているからです。

ある研究グループが公表している推定値によると、先週の東京都の感染者数は39,668人だそうです。

定点あたり報告数が7.14のときの推定値なので、感染者数は定点あたり報告数のざっと5千倍のようです。

同グループによれば、熊本県の先週の定点あたり18.24人では、感染者数は9,050人と推定していますす。

なので熊本県の感染者数は、定点あたり報告数の約500倍と考えることができます。これはわかりやすい。

ただし、発熱者の医療機関受診率や検査率は、以前と比べてかなり低下しています。

そのため感染者は十分には捕捉できず、定点あたり報告数はかなりの過小評価となっているはずです。

もっとも、感染者数が正確に推定できたとしても、もはや世の中が何か変わるわけでもないでしょう。

とりあえず、自分がコロナかもしれないと思った方は、検査はともかく、外出時にはマスクをしましょうか。