コロナはいま「第11波」の真っただ中

新型コロナウイルス感染症が、いま「第11波」の真っただ中であることは、意外と知られていません。

検査率が低くて実数がつかみにくい上に、メディアもあまり熱心には報じてはくれません。

全国的には、2月頃の第10波よりもまだ小さな波ですが、九州に限れば、すでに第10波を凌駕しています。

この1週間(6/30-7/6)に当院で行ったコロナ遺伝子検出検査33人中、陽性は25人。陽性率は72.7%でした。

このように陽性率が異常に高いことは経験上、検査が追いついていないことを示唆します。

検査代が高いので検査数自体が減っていることも考慮すると、本当の感染者数はかなり多いのでしょう。

周囲に、コロナ未検査の複数の発熱者がいる成人は、検査をするとたいてい陽性です。

たとえ抗原検査では陰性であっても、状況によっては遺伝子検出検査をお勧めします。しばしば陽性です。

いま日本で流行している変異株は「KP株」「JN株」「XDQ株」だそうです。ちょっと聞き慣れないですね。

ウイルスの「変異」は遺伝情報の「コピーミス」が原因なので、コピーの頻度に比例して起きます。

つまり、流行すればするほど変異しやすいということで、いままさに変異が進行中なのかもしれません。

幸いなことに、あるいは期待を込めて、ウイルスは変異するにつれて弱毒化すると考えられています。

ただし、感染力が低下するとは限らず、むしろ感染は拡大しやすい状況に向かっているのかもしれません。