ブログという「日記」

「6月10日」というタイトルの作文を書いたことがあります、と当ブログに書いたのは<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-249.html" target="_blank" title="12年前のこと">12年前のこと</a>でした。

その作文は小学6年生の時に起きた「事件」についての思い出話なので、事件自体は50年以上も前のことです。

子どもの頃の作文を読むと、もうこの頃から未来の自分の片鱗はあったのかと、ある意味で少々愕然とします。

と書きましたが、冒頭に紹介した作文が探しても見つからず、明日書斎を捜索してみようかと思っています。

当ブログは、当院開業の翌年の、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1.html" target="_blank" title="2008年の6月">2008年の6月</a>から始めています。それからちょうど16年経ちました。

いまその16年前ごろの投稿を読んでみると、当時考えていたことや心情が、時空を超えて思い出されます。

とは言え、基本的な思考回路は変わっておらず、その進歩の無さに驚きます。

家では日頃いつも「宿題」と呼んでいる当ブログですが、提出期限のある宿題であり「日記」でもあります。

時には「旅日記」だったり、「読書感想文」のこともあれば「食レポ」のこともある。

もちろん、「診療コラム」や「医療行政批判」や、「一般社会問題」や「映画鑑賞記」だって書きますよ。

そんな風に、ブログのテーマやジャンルは、できるだけバラエティに富んだものにしたいですね。

今日は通算4,626回目の投稿になります。そのうち最後の4,543回は、13年間以上も続く連続投稿です。

それほどまでに長期間連続しているからこそ、どうしても途切れさせたくない気持ちが強くなります。

逆説的な言い方ですが、その「中断恐怖症」があるからこその連続記録更新なのです。

鶏肉の生食は控えましょう

昨日・今日の2日間、当院を受診した急性感染性疾患の方でとくに多かったのは、胃腸炎と溶連菌感染でした。

幼児の胃腸炎はこの数カ月断続的に出ていますが、いま目立つのは大人の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1308.html" target="_blank" title="「カンピロバクター感染」">「カンピロバクター感染」</a>です。

この細菌はニワトリが保菌しているので、生の鶏肉を食べると感染することがあります。

「鶏刺し」か「鶏タタキ」を食べた数日後に胃腸炎症状が出た方が、この2日間で3人いました。

すべて外食であり、さらにその中には、一緒に食べた人が同様の症状だという方もいました。食中毒案件です。

鶏肉の生食は規制されておらず、農水省のサイトでは鹿児島県の郷土料理として鶏刺しを紹介するほどです。

私も勤務医の頃には、行きつけの店でよく鶏刺しを食べていました。でも開業してからは食べていません。

それはある時、カンピロバクター感染後に「ギラン・バレー症候群」を発症した事例を聞いたからです。

ギラン・バレー症候群は、麻痺や呼吸困難などを起こす神経障害で、後遺症が残りやすく死亡例もあります。

食中毒菌がなぜ神経障害?と思うかもしれませんが、この菌の構造に神経の構造と似た部分があるのです。

そのため体の免疫がカンピロバクターを攻撃する際に、誤って神経も攻撃してしまうのです(自己免疫反応)。

おなじみの病気が意外にも自己免疫反応を惹起することがあり、身近な例では溶連菌感染がそうです。

だから抗生剤でしっかりと治しましょう、ということになります。これも大事な話ですが、今日は割愛します。

そういえば、豚肉は言うに及ばず、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-85.html" target="_blank" title="病原性大腸菌の食中毒">病原性大腸菌の食中毒</a>が問題となってからは牛刺しも私は食べていません。

でも馬刺しだけは好んで食べます。生の馬肉で食中毒は起きないのかと心配になりますが、大丈夫らしいです。

馬は体温が高いので雑菌が繁殖しづらく、寄生虫は冷凍処理によって対処できるそうですね(by 菅乃屋)。

時間厳守のために

Facebookには余計な広告や投稿が多くてウザいですが、ときどき面白い記事に出くわします。

今日は、小学2年生の算数の解答だという、次のようなものでした。

「駅まで30分かかります。8時50分に駅に着くには家を何時何分に出るとよいでしょう。理由も考えましょう」

という問いに対してその生徒は、正答である8時20分とは書かず、8時15分と答えたというものです。

その理由は、「8時20分だとギリギリであせると危ないから」だと。

こういう時にネットでは、「さすが、親の教育が行き届いている」などと盛り上がります。

たしかに、「8時50分の電車に乗るためには家を何時何分に出るとよいか」という設問なら、そうでしょう。

しかし実際の設問は「8時50分に駅に着くには」であり、ちょうどその時刻に着く時間が問われています。

ここでは、早く着いても遅く着いてもダメだと考えるべきです。電車とは関係ない計算問題なのです。

という具合に私はへそ曲がりなので、件の小学生の解答を賞賛するネット民には、必ずしも賛同しかねます。

とは言うものの、時間通りに着くことが大事なら、少し早めに来て目的地付近で待機しておくべきです。

たとえば銀行の方は必ず、約束の時刻と誤差10秒以内に現れます。どこかで時間を潰しているのでしょう。

約束の時刻を守るというのは、そういうことです。恐れ入ります。

「マイナ保険証優先」ぐらいで騒ぐことなかれ

5月〜7月が<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-4583.html" target="_blank" title="「マイナ保険証利用促進集中取組月間」">「マイナ保険証利用促進集中取組月間」</a>であることは、前にも書いた通りです。

一時金を「エサ」にして、医療機関や薬局のマイナ保険証利用率を一気に上げようという国の政策です。

4月時点で6.56%の利用率が、従来保険証廃止の12月までに100%に到達するとは、とても思えませんけどね。

そのエサ欲しさ、いや国に協力しようと少々頑張りすぎた医療機関や薬局で、トラブルが起きているようです。

たとえば、マイナ保険証のみ受け付ける薬局だとか、マイナ保険証を優先診察する医療機関などです。

このような事態に対する、厚労省の見解が興味深いというか、歯切れが悪いですね。

「マイナ保険証の利用者を優先してくださいとも、区別しないでくれとも示したことはない」

この霞が関言葉は、「マイナ保険証を優先しろとは言ってないが、区別はしても良い」と解釈できます。

さらに行間からは、「マイナ保険証を優先するなとも言ってないよ」という意図も読み取ることができます。

そもそも、厚労省の目的は「マイナ保険証限定」の世に移行することです。それがあと半年後に迫っています。

なのでそろそろ準備段階として、「マイナ保険証優先」を容認してもよかろう、というところなのでしょうか。

はたして12月2日に、マイナ保険証利用率は何%になってるんでしょうね。現場の混乱が目に浮かびます。

「ベースアップ評価料」は現在未算定

診療報酬が今月「プラス改定」されましたが、そのプラス部分の正味の大半は<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-4590.html" target="_blank" title="「ベースアップ評価料」">「ベースアップ評価料」</a>です。

これは、看護師などの医療職員(事務職員を除く)の処遇改善(賃上げ)にのみ使える、追加報酬のことです。

この評価料を算定すれば、すべての患者から受診の都度、職員昇給専用の追加料金をいただくことになります。

熟慮の末、当院では当面、ベースアップ評価料を算定しないことにしました。

職員の給料を上げるために、通常の医療費とは別枠で追加料金をいただくことには抵抗があるからです。

どうやら他の医療機関にも算定を躊躇しているところが多いようなので、しばらくは模様眺めをしてみます。

どのような業種であっても、従業員のベースアップは通常、企業努力で工面するのが本筋。

昇給のために診療報酬を特別に増やした形の今回の改定は、医療機関だけ特別待遇のように見えて心外です。

などと片意地張らず強がらず、さっさと算定すればよさそうなものですが、手続きもそこそこ面倒なのです。

ともかく、国が用意してくれた一種の「補助金」を蹴るわけですから、それ相応の覚悟(頑張り)は必要です。

で、模様眺めとは言いましたが、眺め終わったらどうするかは未定。(つづく)

抗生剤が足りません

この数年、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-4407.html" target="_blank" title="医薬品の不足">医薬品の不足</a>が問題化していますが、最近は抗生剤が足りません。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3371.html" target="_blank" title="ジェネリックメーカーの不正">ジェネリックメーカーの不正</a>が相次いで発覚し、各社に業務停止命令が出されたことが直接的な原因です。

しかしその背景には、ジェネリック医薬品は儲からないのに多品目作らなければならない現状があります。

だからといって手抜きをしてよいことにはなりませんが、メーカーも追い込まれているのでしょう。

そして厚労省は、供給不足が予測されるのに業務停止命令を出さざるを得ない「自縄自縛」に陥っています。

今日は隣の薬局から、もうじき「セフゾン」がなくなるとの連絡を受けました。日頃よく使う抗生剤です。

この薬は、先発品は「LTLファーマ」が、ジェネリックは「沢井製薬」や「東和薬品」などが製造しています。

そのような複数のメーカーが作っている薬なのに、一斉になくなるのには、理由があります。

LTLも沢井も東和も自社ではこの薬を製造しておらず、いずれも「長生堂製薬」が受託製造しているからです。

長生堂製薬の川内工場(徳島市)は、シェア国内トップのセフェム系抗生物質製剤の専用工場だといいます。

ところがその川内工場で不正が相次ぎ、すべての製品の出荷と製造が停止されることになってしまいました。

複数のメーカーが販売している薬が、元をたどれば同じ会社で作られているとは、危機管理上お粗末な話です。

ジェネリック医薬品が儲からないことがその背景だとすれば、抜本的な解決法はあるんでしょうかね。

岩国錦帯橋空港

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-4624.html" target="_blank" title="岩国を数十年ぶりに訪れた">岩国を数十年ぶりに訪れた</a>のは先週のこと。今日は東京からの帰りに、あえて岩国空港を経由してみました。

実は幼少期に岩国に住んでいた場所は、2カ所有ります。その後半に住んだ所に、先週は行かなかったのです。

その場所は、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-293.html" target="_blank" title="米軍基地(米海兵隊岩国基地)">米軍基地(米海兵隊岩国基地)</a>に近く、子どもの頃に基地の航空祭に行った思い出があります。

岩国空港(岩国錦帯橋空港)は、自衛隊と米軍基地との共用ですが、滑走路も管制も米軍の管理下にあります。

民間の定期便はANAだけです。今日は機内や搭乗口で、次のようなアナウンスを何度も聞きました。

「海兵隊岩国航空基地内を通過します。米軍基地セキュリティ保全のため写真動画の撮影は禁じられています」

なので私は空港とその周辺の様子を目に焼き付けておこうと、着陸の際は機窓の風景に目を凝らしました。

滑走路に沿って南から、まず小さな自衛隊基地があり、続いて広大な米軍基地に無数の戦闘機が現れました。

Google Mapの航空写真ではわかりませんが、多くの戦闘機が、テントのような建屋に整然と隠れています。

誘導路を走り終わり、続く脇道の突端の盲腸みたいなところに、岩国錦帯橋空港のターミナルがありました。

ターミナルの敷地の出口には長いゲートがあって、民間機の通行を抑止する遮断機のような雰囲気です。

私の乗ったANA機はまるで踏切待ちしているように、ゲートが開くのを待ってから出入りしていました。

離陸時に、空港の対岸の、かつて住んでいた辺りを凝視したのですが、飛行機は一瞬で通過してしまいました。

その範囲内に、私の家も、幼稚園も、よく遊んだ空襲跡の窪地もあったんですね。

上空から見ると、住宅地のすぐそばに大きな工場が立ち並んでいます。「帝人」や「日本製紙」です。

製紙工場は当時は「サンパル」と呼んでました。「山陽国策パルプ」のことです。いかにも昭和な社名ですね。

6歳未満のコロナ検査はやめました

診療報酬の改定によって今月から、6歳未満のお子さんのコロナの検査代が請求できなくなりました。

よって当院では今月から、6歳未満のお子さんには、原則としてコロナの検査は行わないことにしています。

皆様にはご迷惑をおかけしますが、その理由などを書きますので、ご容赦いただきますようお願いします。

6歳未満のお子さんに対しては、多くの小児科が「小児科外来診療料」という包括診療を行っています。

何か検査や処置などをしても、しなくても、診療報酬は「定額」です。検査代等は「包括」されているのです。

その定額料金は今月から少しアップして、初診の場合は604点(6,040円)、再診は410点(4,100円)です。

ところが、新型コロナは検査のコストが高く付くので、定額の範囲内では検査代がまかなえません。

そこで臨時的な取扱いとして、先月までは定額とは別枠でコロナの検査料を請求できるようになっていました。

たとえば遺伝子検出検査(PCR検査等)の場合、検査料700点(7,000円)を、上乗せすることができました。

当院で行っている検査キットの原価が1検体あたり約6,000円なので、まあ許容できる点数だったのです。

ところが今月から臨時的取扱いがなくなり、コロナ検査料は小児科外来診療料に包括されることになりました。

そのため、初診料6,040円か再診料4,100円の中から、6,000円の検査実費を工面する必要に迫られています。

これは無理筋です。ですがそれをわかった上での国の方針転換でしょうから、その意向を汲むしかありません。

つまり、コロナの検査はなるべく控えるようにと、とくに子どもはやる必要なしと、そういうことなのです。

よって当院では、検査の必要性がよほど高いとき以外は、子どものコロナの検査はやらないことにしました。

そして実際に、コロナ検査の必要性が高いと考えられる小児は、ほとんどいないのです。

当院の方針は国の意向(政策)に従ったものです。ご不便をおかけしますが、ご了承ください。

嘉手納基地にダイバート

天候不良などの理由で飛行機が行き先を変更する「ダイバート」は時々ありますが、今回は特別でしたね。

那覇空港上空の視界不良のため、ANA、JAL、JTAの3機が嘉手納基地に着陸するという前代未聞の異常事態。

航空旅行ファンは、その後の自分の予定に支障がない限り、そして安全である限り、レアな出来事を好みます。

着陸やり直し「ゴーアラウンド」とか、急な欠航でホテル代が出るとか、今回のようなダイバートがそうです。

もちろん、大幅な遅延が原因で仕事に穴をあけたとか、国際線の乗り継ぎに間に合わなかったとなれば一大事。

なので日頃から余裕をもって旅行計画を立てたいものですが、予想できないのがアクシデントですからね。

今年の正月、息子たち一家が羽田に帰る便が、例の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-4477.html" target="_blank" title="羽田の事故のために熊本にUターン">羽田の事故のために熊本にUターン</a>したのもレアな出来事。

6年半前には、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2278.html" target="_blank" title="機内で私が心肺蘇生をしていた飛行機">機内で私が心肺蘇生をしていた飛行機</a>が、セントレアにダイバートしたのも貴重な体験でした。

ただし今回の嘉手納案件では、米軍との調整に時間がかかり、乗客は機内で最大8時間の待機を要したとか。

これはいくらなんでも疲れますね。航空ファンでもへこたれます。食事やトイレがどうだったのかも心配。

でももっと大変だったのは、そのブチ切れ気味の乗客らの世話をし続けたCAさんたちでしょう。

乗員には何の落ち度もないアクシデントなのに、心ない客からの罵詈雑言を浴びたかと思うと不憫です。

こういう時にこそ、航空旅行ファンとしては、冷静かつ紳士的に振る舞いたいものです(願望)。

スマホだけ持って外出、の時代が来るのか

「改正マイナンバー法」が成立しました。

来年には、iPhoneにマイナンバーカードを追加して、アプリ上で提示できるようになると報じられました。

Appleウォレットの身分証明書機能を米国外で展開するのは、日本が初となるとのこと。そうなんですか。

スマホにマイナカードの機能が搭載されることは、まずカードを持ち歩く必要がなくなるメリットがあります。

カードの紛失を心配している方も、スマホなら顔認証等のセキュリティがありますから、多少は安心ですよね。

私がいつも財布に入れているのは、現金とクレカの他には、マイナカードと運転免許証と健康保険証です。

医療機関を受診することがなくてマイナ保険証を使ったことがありませんが、使える準備はできています。

でも万一、急病や事故で担ぎ込まれた病院がマイナ非対応だった場合に備えて、健康保険証も所持しています。

今後運転免許証も含めてスマホに搭載されると、携行するのはスマホだけで済む時代が来るかもしれません。

と言いながら私は、Apple Payが使えない場合に備えて、クレジットカードは物理カードも持ち歩いています。

現金を使う機会は日常的にはほとんどありませんが、これも万一に備えれば・・・と言い出すとキリが無い。

スマホは故障するというリスクがあります。旅行時などには現金や物理カードによるバックアップが必要です。

通話機能のバックアップとして、私は予備のiPhoneも携行しています。必要時にSIMカードを入れ替えます。

充電器やケーブルやらも含めると、スマホだけで済む時代というのも、実はそれほど身軽じゃないですね。