「帯状疱疹ワクチン」の、高齢者向けの「定期接種」が、来年度から始まることになりました。
帯状疱疹の予防といえば、以前は「水痘ワクチン」を使っていました。
これは、子どもの定期接種にも使っている生ワクチンを、そのまま帯状疱疹予防に応用するものです。
6年前に、不活化ワクチン「シングリックス」の接種が日本でも始まりました。
こちらは、新たに開発された組換えワクチンで、2回の接種が必要ですが高い有効性が認められています。
当院の現在の任意接種料金は、水痘生ワクチン9,000円、シングリックスは2回で44,000円です。
これは、ワクチンの納入価格を考慮して当院で独自に設定したものですが、おおむね他院と同様の料金です。
定期接種となれば公費による補助が入りますが、まさか全額公費負担の完全無料にはならないでしょう。
たとえば現在接種が行われている「成人用肺炎球菌ワクチン」では、熊本市の場合、窓口負担は4,600円です。
これは、全額自費の場合の任意接種料金と比べると、約半額の自己負担設定になっています。
一方でシングリックスは、原価がとても高く、半額自己負担ではかなり高額な窓口料金となってしまいます。
しかし、窓口負担を減らして公費負担を増やせば、自治体の財政を圧迫しかねません。
高い接種率を達成するための、ちょうど良い自己負担料金設定は、どのぐらいになるのでしょうね。