学校健診において、診察時の脱衣等を巡る問題が起きている中、今日は小学校5,6年生の健診に行きました。
医学的な必要性があるとしても、プライバシーや子どもたちの心情への配慮も、考えなければなりません。
その「配慮不足」ととられる行為がSNSから発信されて拡散し、問題化しやすい時代になったのですから。
小学校でも、高学年の女児の場合は着衣の上から診察する方法もありますが、聴診の精度にやや難があります。
そこで例年は、伸縮性のある体操服を着せて、それを捲り上げずに、下の方から手を入れて聴診してきました。
問題は5年生です。5年生は脊椎側彎の視診が必須事項なので、肩から背部から腰部まで見る必要があります。
そのためには体操服を脱がせなければならず、背部を完全に露出しても胸部はできるだけ隠す工夫が必要です。
この点を私が医師会や学校側に確認したところ、市の教育委員会とも調整して一定の方針が決まりました。
それが「ラップタオル」方式。すでに活用している学校も多いようですが、私の担当校では初の試みでした。
恥ずかしながら私は、ラップタオルの存在を知りませんでした。水泳の時の着替えで使うモノなんですね。
そのラップタオルを前後逆に着けて、一番上のボタンだけ留めると、背部だけが露出できることになります。
やってみると、診察自体は目論見通り上手くいきましたが、やはりかなりの時間がかかりました。
児童は、保健室内の「着替室1」で服を脱いでタオルを巻き、診察を受け、「着替室2」に移動して着替えます。
私と養護教諭(女性)以外に、さらに2人の女性教諭が着替等を介助して、児童の不安を払拭します。
側彎症(の疑い)例は意外に多く、この診察法は取りこぼしの少ない良い手法だと思いました。
なお、今回は男児も原則としてラップタオル方式で診察しましたが、これはおおむね面倒なだけでした。