HPVワクチンの<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3733.html" target="_blank" title="「キャッチアップ接種」">「キャッチアップ接種」</a>の対象者の約半分が、この接種制度自体を知らなかったそうですね。
厚労省が行ったアンケート調査で、キャッチアップ接種の周知不足が判明しました。
これは、かつて「積極的勧奨接種」が中止されていた期間に接種しなかった人を対象とした、無料接種です。
国が「接種はお勧めしません」と明言したせいで接種の機会を失った方への、救済制度なのです。
このキャッチアップ接種を含めて、接種対象の方々のHPVワクチンに対する考え方は多様です。
(1)ぜひ接種したい/すでに接種した
(2)検討中(考え中):周囲に接種者が多ければ打とうかな的な
(3)今のところ接種するつもり(予定)はない
(4)接種したくない
(5)え、接種は中止じゃなかったんですか?
このうち、(2)から(4)の方へは、私はその都度丁寧な説明を行っているつもりですが、まだ足りません。
さらに、今回問題になったキャッチアップ接種対象者どころか、定期接種の対象者ですら(5)の方がいます。
いずれの場合も、かつての「副反応騒ぎ」の影響が尾を引いているのです。
インパクトのある「副反応(疑い)」映像を、テレビで繰り返し繰り返し目にさせられたわけですからね。
この副反応は科学的には否定されたのですが、そのことをメディアはあまり積極的には取り上げませんでした。
冤罪は、最初にクロだと報じた時よりも何倍も大々的に報じないと、シロであることが世間に浸透しません。
それをメディアはあえて避けてきたし、国も同様の体たらく。だから前述した(2)から(5)を招いたのです。
「皆さん接種しましょう」といくら国が言ってもメディアが報じても、いちど染みついた不安感は消えません。
「勧奨接種の中止は間違いでした。ワクチンは安全です」と、国は明言すべきです(言えるものなら)。
「副反応の報道は間違いでした。ワクチンは安全です」と、メディアも報じるべきです(言うわけないけど)。