「iPad Pro」のCMに感じる悲しみ

新型「iPad Pro」については2日前に書いたばかりですが、そのCMが叩かれまくってますね。

ピアノやギターやカメラが巨大なプレス機に押し潰され、プレス機を上げたらiPadだけが残っているという。

絵の具も潰されてほとばしるので、まるで生体から血液が噴き出すようにも見える、少々悪趣味なCMです。

それほどまでにiPad Proはすごいデバイスなんだよ、と言いたいのでしょうけど、やりすぎです。

人類の創造活動は、今後はiPadだけで実現可能だとでもいうような、傲慢な態度だと感じます。

なにより、多くのアーティストやクリエイターの活動に対して無礼であり、無神経すぎます。

1984年にAppleは、古いテクノロジーや企業(=IBM)をハンマーで打ち壊す、斬新なCMを放映しました。

そして、創造性を掲げて登場した画期的なパソコンこそが、Appleの初代「Macintosh」でした。

80年代から90年代を経て21世紀に入り、Appleは創造的なデバイスを世の中に提供し続けました。

しかし、いくらデバイスが進化したとしても、ピアノも絵の具も必要がなくなったわけではありません。

40年前のCMで破壊した機械とは真逆の人間的なものを、今回Appleはプレス機で破壊してしまいました。

AppleがこんなCMを作るとは悲しいことです。人に対するリスペクトを取り戻してくれることを願います。