大型連休の前半戦を振り返ってみましょう。空港とかハワイの話じゃありませんよ。
この3日間(土・日・祝)、当院の「いわゆる発熱外来」の受診者には、顕著な特徴がありました。
それは、インフルエンザが消え、そのかわりコロナが増え、それ以上に溶連菌感染が多かったということです。
3日間のインフルエンザ陽性者はなんとゼロでした。コロナ陽性は10人、溶連菌陽性は18人でした。
溶連菌感染は、おもに幼小児が罹る細菌感染症で、たいてい発熱と咽頭痛を訴え、しばしば発疹が出ます。
しかしこの3日間の溶連菌感染者18人の中では、発熱17、咽頭痛8、発疹はわずか3人でした。
のどが硬口蓋まで燃えるようにブツブツ赤くなる発赤所見は半数程度に過ぎず、しかも軽い方が目立ちました。
このように、感染症の症状は必ずしも典型的な症状が揃うとは限りませんが、今回はとくに非典型的です。
ただ、溶連菌感染で39度以上の高熱の方も6人いて、インフルエンザを疑って来院されるケースがあります。
溶連菌感染では、咽頭所見が典型的なら(さらに発疹もあれば)、検査せずに臨床診断することもあります。
とくに今日は、検査キットが不足しそうだったこともあり、未検査で臨床診断した方が4人いました。
コロナの定点あたり報告数は、まだ全国的には減少しつつありますが、減り方が鈍っています。
東京や沖縄や熊本など一部の地域では、4/15〜21の週から上昇に転じており、当院の数字も同様です。
その勢いのまま大型連休に突入したわけですから、来週以降どうなるか、少々恐ろしくもあります。
1週間後の大型連休終了日ごろに、また総括することにしましょう。お大事に。