ANA機のオイル漏れは軽微な事故なのか

札幌新千歳空港に着陸した羽田発のANA機で、オイル漏れのトラブルがありました。一昨日のことです。

正月の羽田での事故を思い出してしまいますが、今回は火災もなければけが人も出ませんでした。

オイル漏れと言えば5年前に、伊丹発羽田行きのANA機がエンジンオイル漏れを起こした事故がありました。

これは上空で起きたエンジンオイル漏れであり、一方のエンジンを停止して緊急着陸する事態になりました。

それと比べれば今回は、油圧系統のオイル漏れということで、重大インシデントの扱いにはなりませんでした。

しかしこの機材、登録番号JA804AのBoeing787-8には、実は世界的に知られた有名な事故歴があります。

11年前、山口宇部から羽田に向かっていた時にバッテリートラブルを起こし、高松空港に緊急着陸しました。

緊急脱出となったため、それなりのケガ人(軽症)等が出ました。

同時期にJALの787機も、ボストンでバッテリーから出火するトラブルもありました。

これらの事故を受けて787機はバッテリー改修が必要となり、世界中の同型機の運航が数カ月間止まりました。

航空機の機体のトラブルは、それが空を飛んでいることから、車や列車とは別格の危険につながりかねません。

事故が起きる「確率」は車に比べれば断然低いとされていますが、ひとたび事故が起きると被害は甚大です。

たとえ軽微なトラブルでも、設計や整備など、あらゆる観点からその問題点を潰しておかなければなりません。