マイナ保険証の利用促進に貢献した医療機関には、国からご褒美(一時金)が与えられると報じられています。
一定の基準を満たした報酬として、診療所は10万、病院は20万円もらえるというものです。
メディア側の中途半端な取り上げ方にはいつも悪意を感じますが、しかし今回に限っては国の施策も良くない。
まず、10万とか20万というのは理論上の最大値なので、その上限額が得られるかどうかは状況によります。
この支援策では、マイナ保険証の利用率や利用人数が、昨年と比べてどのぐらい増えたかが評価されます。
その評価対象は「マイナ保険証利用促進集中取組月間」とされる今年の5〜7月で、比較対象は昨年10月です。
つまり、いまからマイナ保険証の利用を増やした医療機関が、とくに支援される仕組みになっているのです。
当院の、昨年10月におけるマイナ保険証利用率は28%でした。さらに11月は31%、12月は32%でした。
全国平均は5%程度なので、かなり高い数値です。これをこの春大幅に増やすのは、なかなか難しいですね。
今回の施策は、これまでに頑張ってきた医療機関よりも、新たに頑張る医療機関を支援するためのもの。
マイナ保険証利用のテコ入れが目的なので、すでに利用率の高い医療機関を評価・支援する理由がないのです。