「うずらの卵」をやめれば済むのか

小学1年生の児童が、給食の「うずらの卵」をのどに詰まらせ亡くなるという、いたましい事故が起きました。

原因や状況を詳細に検証し、今後の対策を考えるとともに、なにより今回の関係者の心のケアが必要です。

うずらの卵が原因なら、とりあえず給食で出すのはやめろ、半分に切れ、という意見が出るのは理解できます。

しかし、たとえ給食でやめても、家庭や外食でいつかは食べるありきたりの食材です。

ならばむしろ、学校給食で「よく噛んで食べる」ことを指導して食べさせることに、教育的意義があります。

その意味で、今回の件を受けても「うずらの卵中止」としなかった学校の方が、正しい決断かもしれません。

食物アレルギー(アナフィラキシー)とは異なり、初回の摂取にだけ注意すれば済むことではありません。

そのような食材が出るたびに、子どもには2度3度と指導を繰り返すことが大事。給食ならそれも可能です。

今回の事件とはまったく無関係ですが、私の小学校時代(昭和40年代)の給食の風景を、ふと思い出しました。

当時、小学生の男子は、だいたい一日中ふざけていますが、給食の時にもよくふざけてました。

主食はいつもコッペパン。飲むのは脱脂粉乳が牛乳に変わったものの、おかずのメニューはワンパターン。

誰がいちばん早く食べ終わるか、競争したりします。早く食べ終わればその分、昼休みが長くなります。

パンをギュッと押し固めてゴルフボール大にして、それを頬張ってひと口で食べてしまう猛者もいました。

いまどきの小学校では、そんな昭和なことなんて、誰もやってないかもしれません。

でもTVでは、大食いや早食いを競う番組を目にします。子どもへの影響は大きいでしょう。

食事は楽しく落ち着いて食べるもの。家庭でも学校でも、日頃からそうした配慮が子どもには必要ですね。