開業医の働き方改革

「働き方改革」(労働基準法の改正)によって5年前から、残業時間の上限が罰則付きで定められました。

医師にはその適用が5年間猶予されていましたが、今年4月から、残業は原則「年960時間」が上限となります。

これで本当に医師が働きやすくなるのか、病院は十分な医療を提供できるのか、懸念はたくさんあります。

とても大事なことなのでいつか日を改めて書くとして、今日は「開業医の働き方改革」について考えました。

いま世間で言われている「医師の働き方改革」の対象となるのは「勤務医」です。

その勤務医を、規則に違反して「残業させた」場合には、「使用者(雇用主)」が罰せられます。

同じ医師である「開業医」はしかし、誰かに指図を受けて残業するわけではないので、この罰則の対象外です。

開業医も残業することはありますが、これは地域医療に貢献するために自分の判断で決めたことだからです。

とは言え、開業医が時間外に行っている医療行為は、社会の要請に応じたものです。

もとより医師には、医療の提供を求められたら応じなければならないという「応招義務」があります。

しかし、医師が健康を害するほど長時間労働をすることは、あまり持続性のある働き方とは思えません。

また、たとえ医師本人は体力の許す限り診療したいとしても、医療行為には医療スタッフが必要です。

医師以外のスタッフの働き方改革の観点からも、開業医であろうとも、残業はできるだけ減らすべき時代です。

そういうわけで、勤務医のみならず開業医の働き方改革にも、世の中の理解が得られることを願っています。