「肺炎球菌ワクチン」接種の経過措置終了へ

テレビで段田安則氏が宣伝しているように、助成対象の方は「肺炎球菌ワクチン」の接種をお急ぎください。

段田氏と言えば、天皇に毒を盛るような極悪人(役)ですが、このワクチンは安心して接種できます。

日本人の死亡原因は、1位の「悪性新生物」、2位「心疾患」は近年不動ですが、3位以下には変動があります。

ひところ3位だった「肺炎」は今は5位です。もしかするとそれはワクチンの効果かもしれません。

また、老衰で亡くなった方は直接の死因が肺炎でも、それを老衰死亡として登録している面もありそうです。

ただいずれにせよ、肺炎で命を失う高齢者はとても多いということです。

その肺炎の原因として最も重要なのが「肺炎球菌」であり、ワクチンはその感染予防にはかなり有効です。

2014年からこのワクチンの「定期接種」が始まり、基本的な接種対象は65歳と定められました。

ただし、その時点ですでに66歳以上の方を救済するために、5年間の経過措置がとられました。

この経過措置によって、65歳以上のすべての「5の倍数の年齢の高齢者」が、接種対象になりました。

理論的には、5年の経過措置の間に、すべての高齢者が一年ずつ、接種対象となるはずでした。

ところが思いのほか接種が進まない。そこでさらに5年間経過措置が延長され、現在に至るわけです。

厚労省は今年度で経過措置を打ち切る方針のようです。来年度からの定期接種対象は65歳の方に限定です。

なので今がラストチャンス。現時点で65歳以上で未接種の方は、3月までに接種しましょう。

と言いたいところですが、いま接種出来るのは、いまの経過措置の対象である5の倍数の年齢の方だけです。

そんなケチなことせずに、もはや65歳以上の全年齢を対象にした経過措置にしてもいいんじゃないの?

肺炎死が減ったら国民医療費は確実に減るんですから、国はワクチン接種にもっと予算を割くべきです。

まさか、医療費削減のために、これ以上寿命を伸ばさない(=肺炎死を減らさない)政策じゃないですよね。

運転という「マルチタスク」

朝はいつも7時前に家を出ます。夜は日によって違いますが、たいてい午後7時前に職場を出ます。

車ではFMラジオをつけているので、朝晩の通勤時には朝と夜の「7時のニュース」を聞くことになります。

ラジオのニュースでは必ず、冒頭にまず「リード文」、続いて「本文」が読み上げられます。

テロップの無いラジオでは、次はこのニュースですよと、最初に概略を1文程度で紹介するわけです。

運転中にはラジオにばかり「全集中」しているわけにもいかず、リード文はしばしば聞き流してしまいます。

しかしそのリード文に気になる文言ばあれば、「ん?なに?」と、その段階で聞き耳を立てることができます。

すると続いて本文が読まれるので、気になるニュースの正味の部分をしっかりと聞くことができるわけです。

考えてみると、ニュースを聞きながら、車の周囲にも目を配りつつ、ハンドルやアクセル操作をしています。

そんな「マルチタスク」が高度になればなるほど、どこかが手薄になるリスクが高まると考えるべきです。

ニュースに集中したり、ハンズフリーで電話をしたりすれば、運転への集中度が落ちないはずがありません。

同乗者と会話したり音楽を聴いているだけでも、それは少なからず運転操作への邪魔になっているでしょうね。

夜の雨の高速道路を「急いで」運転中に、ラジオや音楽を聴く気になれないのは、そういうことなのでしょう。

テレビを見ながら運転してる人がいますね。私も以前、運転中に画面が消えない仕様の車に乗っていました。

でも今は無理。そもそもいまの愛車にはテレビが備わっていません。「走り」に徹する車なのです。

もしも前を走る車にテレビ画面が見えたら、車間距離は十分取るようにしています。

「隗より始め」てみたけれど

自民党の派閥が政治資金パーティー収入の一部を裏金化した問題が、ずっと尾を引いています。

多くの派閥が解消を決める中で、その先陣を切ったのが、岸田首相でした。

岸田氏はこのことを「岸田派のけじめとして、『隗より始めよ』で対応した」と述べています。

また、メディアはこの決断を「『乾坤一擲(けんこんいってき)』の勝負に出た」などと表現しています。

この2つの「故事成語」は私の好きな言葉ですが、だからこそ、これらの使い方には違和感があります。

「隗より始めよ」は通常、「手近なところから始めよ」とか「言いだした者から始めよ」の意味で使われます。

岸田氏も当然、そのつもりで言ったのでしょう。ですが、中国古典の好きな私には、しっくりきません。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3641.html" target="_blank" title="前にも書いたように">前にも書いたように</a>、本来は「取るに足らない人間である私(=隗)を採用してみよ」という意味ですよね。

私にはこの「隗」という人物の、壮大な策略が目に浮かびます。

なので岸田氏が、自分の派閥を卑下して真っ先に解消して見せたとすれば、これはなかなかの策略家ですね。

「乾坤一擲」は、「さいころを投げて自分の運命をかけるような大勝負に出ること」の意味です。

今回の岸田氏の決断が、そんな「いちかばちか」の勝負だとは思えません。それなりの勝算があったはずです。

でもその結果、いまは一見混沌としていますが、最終的には、中途半端な結末を迎えそうな気がします。

本気で自民党をひっくり返すぐらいの「いちかばちか」は、岸田氏にはちょっと無理っぽいですね。

「発熱」外来なのに寒い

最近の発熱外来の混み具合は、以前の流行期(第8波や第9波)に近いものがあります。

今日も午前中は「非発熱外来」、昼前以降はラストまでビッシリと発熱外来となりました。

日曜祝日は休憩無しのノンストップ診療となることが多いので、今日は忘れずに栄養ドリンクを準備しました。

ていうか、実は買い忘れてたのを今朝思いだし、出勤途中コンビニで買いました。

ていうか、実はコンビニに寄るのを忘れて、クリニック到着後にまた引き返してコンビニに行ったのでした。

発熱外来で院内隔離室を使うのは特別な事情がある時で、たいていは駐車場で検査を行います。なので寒い。

ヒートテック「超極暖」の上にTシャツを着て、その上に白衣を着て、その上にガウンを羽織りますが、寒い。

何度も何度も手をアルコール消毒するので、手が冷えます。ニトリル手袋では温まりません。

毛髪のボリュームも決して多くはないので、頭も冷えます。不織布のキャップには保温効果が全くありません。

フェイスシールドは、冷たい風から顔面を守ってくれますが、強風が吹くと顔に張り付いてひどく冷たいです。

今日の陽性診断数は、新型コロナ9人、インフルエンザA型6人、B型11人でした。

コロナが爆発的に増えている印象はありませんが、減る気配もありません。

B型インフル陽性者のうち4人は、半年以内にA型インフルの罹患歴がありました。

明日は今日よりも冷えそうですね。1年ぶりにヒートテックのタイツ(股引き)も着用する予定です。

以前から「電熱インナー」とかも気になってるんですが、なかなか買う勇気がありません。

「違和感を感じる」

NHKのサイトに最近、「違和感を感じる」という言い方はおかしいのか、というテーマの文章がありました。

この議論の結論だけ紹介するなら、著者は「違和感を感じる」を許容する考えを支持していました。

「感」という字が重複しているが、「違和感」の「感」と「感じる」の「感」は意味が違うという理由です。

微妙な違いですが、確かに私も「頭痛が痛い」とか「馬から落馬する」ほどの「重複感」は無い気もします。

ミニカルテ等の患者向けの文書で、「違和感を覚えた際には…」などと書くことはあまりないですね。

「覚える」という言葉は通常は「記憶する」の意味で使うので、日常的な表現の中で使うには抵抗があります。

「違和感を感じる」は確かに少し「くどい」ですが、「覚える」よりはすんなり伝わるような気がするのです。

当ブログでも、私は「違和感を覚える」ではなく「違和感を感じる」を何度も使ってきました。

その使用頻度を数えると、「覚える」3回に対して「感じる」30回と、思いのほか「覚える」を嫌ってますね。

なお、できれば「違和感を感じる」も避けたくて、最も多く使っていたのは「違和感がある」でした(50回)。

ブロッコリーが「指定野菜」の仲間入り

ブロッコリーが、農水省の「指定野菜」に追加されることが決まりました。

当ブログでは何度も書いてきたように、私はほぼ毎晩、ブロッコリーを1株食べています。1株まるごとです。

その意味では、わが家ではブロッコリーは何年も前から、夕食の最初に食卓に出す「指定野菜」です。

何か特別な栄養素、あるいは抗がん作用などによって、農水省が特別に指定したのかと思いきや、さにあらず。

指定野菜とは、「消費量が多く、国民の生活上の重要な野菜」として国が指定している野菜のことなんですね。

これまでにすでに14品目の野菜が指定されており、50年ぶりに新たにブロッコリーが追加されたわけです。

つまりブロッコリーは、「重要な野菜」の仲間としてやっと認知された、いわば「新参者」。

ブロッコリーの価格はけっこう変動します。なので時々、価格が高い日には食卓に上りません。

そんな日に私は、実はちょっとホッとします。たまにはブロッコリーを食べなくても良い日が欲しいのです。

指定野菜になると、生産者への補助金も手厚くなり、供給が安定することが期待されます。

たぶん小売価格も安定するのでしょうね。ブロッコリーは毎晩例外なく、食べ続ける事になりそうです。

溶連菌感染が増えてますが、状況は複雑です

今日発表された熊本県の感染症情報によると、インフルエンザは2週連続、コロナは8週連続で増えています。

インフルエンザの増え方は微妙です。

最近8週間の定点あたり報告数は、38→47→39→29→32→16→17→21ですから、減り方が止まった印象。

一方でコロナは、たしかに一方的に増え続けています。

最近8週間の定点あたり報告数は、2.23→3.14→3.94→5.71→8.09→10.84→12.86→16.08です。

これを「増加率」の推移でみると、1.4→1.3→1.4→1.4→1.3→1.2→1.3と、少し増え方が鈍って見えます。

「溶連菌感染症(咽頭炎)」が増えていることも、最近の特徴です。

定点あたり報告数は、2.98→3.74→3.82→3.22→3.84→1.60→2.90→3.72と、再上昇に転じています。

溶連菌感染のおもな症状は熱と咽頭痛で、のどの手前側(軟口蓋)が燃えるように赤くなるのが特徴です。

インフルエンザやコロナではおもに咽頭後壁が赤く腫大するので、溶連菌感染はまったく異なる咽頭所見です。

発疹が出ることもあり、腹部や大腿部などに「赤い鳥肌」とでも言いたくなる小さい発疹がたくさん出ます。

ベタッと赤くなることもありますが、よくよく見ると赤い点々が集まっています。咽頭発赤でも同じです。

「イチゴ舌」は他の感染症でも見られますが、溶連菌感染の時にはツブツブが小さい印象があります。

当院でも、今日は3人の溶連菌感染陽性を診断しました。ただし、話はそう単純ではありません。

そのうち1人はコロナとの重複感染、もう1人はインフルエンザとの重複感染だったからです。

コロナの経過中に発疹が出てきた子と、インフル経過中に熱が再上昇して軟口蓋が赤くなってきた子です。

最初の感染症によって免疫力が低下して溶連菌を二次感染したか、元々保菌状態だったのかもしれません。

そのように重複感染や二次感染が多いので、ひとつの感染症に決めつけてかかったら痛い目に遭いそうです。

EVの自宅充電は、良いことばかりではない

電気自動車(EV)は<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-4231.html" target="_blank" title="低燃費(低電費)">低燃費(低電費)</a>だと前に書きましたが、でも最近はそうでもないのです。

ガソリン車換算で、以前はリッター20〜40kmレベルの走りだったのに、今は計算上リッター10km程度です。

それもこれも、エアコン(暖房)のせいです。なんなら、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-4493.html" target="_blank" title="エアコンを修理">エアコンを修理</a>したせいです。

しかも最近やたらと寒いので、通勤中はエアコンフル稼働です。

乗車中だけでなく、朝夕には予約暖房を入れているので乗るときポカポカなのですが、余計に電気を食います。

ところで昨夜は、修理後初めて自宅でバッテリーを充電したところ、何度も<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-4186.html" target="_blank" title="ブレーカーが落ちて停電">ブレーカーが落ちて停電</a>しました。

タイマー設定がリセットされていて即時充電モードになっていたことに気付いたのは、2,3度停電した後です。

停電は、短時間であっても電気製品に負荷をかけるので、あまり望ましいことではないでしょう。

それに、寝室の暖房の予約が止まれば就寝時に寒いし、テレビの「全録」も中断してしまいます。

いろいろな家電の時計が、デフォルトに戻ります(賢い家電は内蔵電池でバックアップしてくれます)。

セラミックヒーターやドライヤーやアイロンを使っている時だと、通電火災のリスクが出てきます。

停電を回避するためには九電の契約アンペアを上げれば済むのですが、電気料金が高くなるので躊躇します。

そんなわけで、愛車の充電は深夜にしかできません。これって、けっこう切実なEVの問題かもしれませんね。

コロナの「みなし陽性」判断に、受診は不要です

世間やメディアでは過小評価されがちですが、新型コロナがいま大流行しています。

地震や国際情勢や政治家のニュースなどに埋もれ、コロナはかつてのようなトップニュースにはなりません。

しかし定点把握数の推移から見ると、「第10波」はとっくに立ち上がり、まだまだ上昇カーブです。

変異株は「EG.5」に変わって「JN.1」が拡大しているとのことですが、もう何が何やらです。

当院でも、今年に入って急にコロナが増えて来た印象があり、2回目や3回目の罹患という方も目立ちます。

インフルエンザも依然として流行中で、いまB型が増えているだけでなく、A型の2回目に罹る方もいます。

そんなわけで発熱外来はかなり混雑しています。そこで皆様にお願いです。

インフルエンザの検査をご希望なら、病状が許せば発症から半日程度は様子を見てから受診してください。

状況証拠からインフルエンザの可能性が十分高い場合は「みなし陽性」としますので、ご相談ください。

ただし、高熱というだけでインフルエンザと断定はできません。いま流行のコロナは高熱の方も目立ちます。

コロナは、なるべく自宅で医療用キットで抗原検査をしてください。陽性ならそのまま自宅療養してください。

コロナも状況証拠から「みなし陽性」の判断が可能ですが、その診断のためだけに受診する必要はありません。

ただしインフルの疑いもあるなら、ぜひご相談ください。コロナとインフルの重複感染は、意外に多いのです。

最初から笑顔の方は、たいてい体調良好

生活習慣病の方は、いまはたいてい今年最初の受診なので、診察は正月の挨拶から始まります。

その挨拶の口調や表情や歩き方で好調か不調かわかりますが、いちおう体調はいかがでしたかと尋ねてみます。

すると思い出したように、そういえば最近コロナに罹りました、などという話が飛び出すこともあります。

たいていは完治後の来院ですが、その病歴を受付では話していない場合もあって、診察時にヒヤッとします。

年末年始で体重が増えた方も多く、正月明けに血液検査の予定が来た方には、不運です。

今回悪い数字が出たとしても、それを戒めに今後頑張っていきましょう、などとあらかじめ励ましたりします。

転倒して腰を傷めたとか、膝をケガしたとか、顔を打って「お岩さん」になった、と言う方もいます。

比較的軽い打撲や外傷でも、抗凝固薬を服用中の方だと、かなりひどいことになります。

高血圧症で治療中の方だけでなく、生活習慣病の方にはなるべく、毎日の血圧を測って記録してもらいます。

その血圧手帳に毎日の朝晩の血圧が記録され、しかもグラフにしてあれば、血圧の推移が一目瞭然です。

そのグラフの線が定規で引かれ、なんなら収縮期と拡張期を別の色の線で描いている方もいます。すばらしい。

一方で、受診前2,3日の血圧だけが記載されている方もいて、でもわかります。面倒なんですよね。

かく言う私も、健康管理のために時々血圧を測りますが、週にに2,3回程度ですから他人のことは言えません。