患者データを持ち出さなければ、紛失もしません

牛深市民病院の電子カルテ導入業務で、担当者が患者の個人情報を記録したUSBメモリーを一時紛失した件。

自宅で作業をしようとUSBを持ち出し、それを車の中に落としたようですが、データの持ち出しは御法度です。

かつて大学病院に勤務していた頃には、私も学会準備用に患者データを自宅に持ち帰ったことがありました。

当時(80年代)はまだ、個人情報管理の意識が低かったのですが、もちろん褒められたことではありません。

その時代にUSBメモリーなど無く、データを持ち歩くのは5インチの薄っぺらのフロッピーディスクでした。

ディスクが折れたら困るので、たいてい専用のケースに入れていました。15cm四方ぐらいのサイズです。

時代を経て、患者データは持ち出さないのが常識となり、自宅ではデータ整理等をしないようになりました。

記録メディアも、3.5インチディスクを経て、今世紀にはUSBメモリーが主流になり、記憶容量も増えました。

メディアのサイズが小さくなれば確かに便利ですが、紛失しやすくなります。

私の場合、職場と自宅とで患者データ以外の何かのデータを移動する場合は、クラウドを利用しています。

あるいは、記憶メディアであればHDDを使います。USBは使いません。小さすぎてなくしそうだからです。

いくら慎重に扱っても、交通事故や盗難に遭ったり不測の事態が起きて、USBを紛失する可能性があります。

たとえ不可抗力でも、「○○クリニックの医師、患者データ○○人紛失」などと報じられてしまいます。

そんな失態を避けるためには、とにかくデータを持ち出さないことです。