インフルエンザは警報レベルに達していますが、巷にはいまひとつ、その危機感が無いように感じます。
コロナ禍以前であれば、インフルエンザが大流行期にさしかかると、世の中は戦々恐々としたものです。
ところが今期のインフルエンザは春頃からダラダラと流行しているので、いまさら切迫感が湧きません
それに加えて5月の新型コロナの「5類化」以降、世間には「感染症は終わった」みたいな安堵感がありますね。
さらにインフルエンザには、タミフルやイナビルなどの「特効薬」がある。それも安心材料かもしれません。
今日の発熱外来では、インフルエンザ検査36人中の陽性は21人(陽性率58.3%)。すべてA型でした。
一方でコロナは、20人検査(NEAR法)して陽性は6人(33.3%)。これも意外に多い印象です。
コロナもインフルも陽性の「重複感染」の方も1人いて、ご本人は元々インフルエンザだけを疑っていました。
ただコロナも調べたいとの求めがあり、それならばと同時検査したらコロナも陽性だったというケースです。
そのように念のために両方を検査するケースは、コロナの検査代が有料になってからは減っています。
インフルが陰性だったのでコロナを検査することはありますが、インフル陽性の人のコロナは通常調べません。
重複感染を見つけるためには、最初から両者の同時検査をするかどうかに関わっています。
コロナ5類化(つまりコロナ検査有料化)以降に当院で検査した重複感染例を調べたら、全部で9例ありました。
検査が有料になって検査希望者が減っていることを考慮すると、この重複感染数は氷山の一角でしょうね。
インフルだけ検査してコロナを見逃しているようなケースは、いま意外と多いのかもしれません。