「集団的個別指導」

厚生局熊本事務所による「集団的個別指導」に招集され、午後を臨時休診にして講演を聞きに行って来ました。

内容的には、保険診療における注意点についての懇切丁寧な説明であり、別の言い方をすれば「説教」です。

その「召集令状」が届いたのは1カ月前のこと。すでに今日は乳幼児の予防接種の予約などが入っていました。

発熱外来もまだ毎日行っており、できることなら急な臨時休診は避けたいと思っていました。

都合が悪い場合は不参加でも良さそうな雰囲気だったので、先日厚生局に電話してみました。

私「発熱外来を中止するのは市民の健康にも反するし、乳幼児の予防接種を急に変更するのもいかがなものか」

厚「参加できない方のために別日にも開催を予定しておりますので、そちらに参加していただきます」

私「別日とは、いつになりますか」

厚「その当日の1カ月前のご連絡になります」

私「それでは結局、今回と同じことですね。別日にも参加しないということは可能ですか」

厚「そうなりますと、『個別指導』を受けていただくことになります」

「個別指導」・・・医療機関がもっとも恐れる、恐怖の4文字ですね。「コベツシドウ」と書けば6文字です。

かつて新規開業直後に受けたことがありますが、準備が超々大変だし、確実に休診を余儀なくされます。

そのような、医療機関を困惑・狼狽・憔悴・疲弊させる招集をちらつかせるお役所のやり口は、嫌いですw。

洗車したから雨降るな

今日からしばらくは雨が降らないとみて、久しぶりに愛車を洗いました。

ボディーカラーがグレーなので汚れが目立ちにくく、ついつい洗車が延び延びになっていたのです。

でも近づいてよく見たら、かなり汚れてます。白や黒の車だったら目も当てられない惨状でしょう、きっと。

春頃には、夕方になると当院の駐車場に隣のアパートの影ができて、絶好の洗車スポットとなっていました。

いまは午後2時ぐらいから駐車場が当院の建物の影になります。洗車に適した時間帯がだいぶ早くなりました。

まず車体にしっかり水をかけて濡らし、それからムートンミトンでシャンプー洗い。これは定番。

だいじなのは拭き上げですね。いつもはコストコの、お徳用のマイクロファイバータオルを使っています。

でも今日はタオルを新調しました。Amazonでポチった、ちょっとお高い洗車専用クロスです。

これがスッゴく水を吸いますね。ボディをひと撫でしただけで水気がゼロ。ああもう、早く買えば良かった。

難があるとすれば、タオルが厚くて大きくて、絞るのに苦労しますが、まあなんとかなります。

洗車って、いつも始めるまではちょっと面倒で気乗りがしませんが、終わってみると気持ちよいですね。

しかも今日の午後は気温と風が心地よかった。あとは明日からしばらく雨が降らないことを願います。

インフル多いがコロナもまだまだ

絶好の行楽日和かと思ってたら、午後から降り出しましたね。どっちみち今日も、発熱外来やりましたけど。

アデノウイルス感染や溶連菌感染のお子さんもいますが、やはり多いのはインフルエンザとコロナです。

この2日間のコロナ陽性者は10人、インフル陽性者は13人でした。検査の陽性率はいずれも下がっています。

ひところは、インフルによってコロナが駆逐されたかのような様相でしたが、まだコロナもしつこく出ますね。

コロナ治療薬は、今月からとても高額な自己負担が必要になったので、1割負担の高齢者にだけ処方しました。

インフルもコロナも、近隣校では学級閉鎖が出ています。たいていの学校ではインフルがメインのようです。

ただし個人情報保護の観点からか、何の感染症で学級閉鎖なのか保護者には詳細を知らされてないようです。

一方でインフルは予防接種の要望も多く、当院のネット予約枠はほぼ満杯です。枠を広げても秒で埋まります。

日曜祝日にも多くの方に接種したいところですが、現状では、休日は接種よりも発熱外来を優先しています。

そのかわり、他院が発熱外来を行っているであろう土曜日に、当院ではワクチンの接種を行っているわけです。

ここしばらくは、検査や治療をしながら予防もする、ということになるんでしょうね、コロナもインフルも。

暑さよりも寒さよりも、雨の発熱外来がイヤ

この連休は発熱外来です。しかも雨です。明日も雨らしいです。嫌いですね、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-4319.html" target="_blank" title="雨の発熱外来">雨の発熱外来</a>は。

院内の隔離診察室(陰圧室)が一部屋しかないので、院内だけでは発熱者の診療がさばけません。

なので多くの発熱者は駐車場での診療となり、コロナやインフルや溶連菌等の検査も自家用車内で行います。

となると、院内と駐車場を早足で何十往復もすることになります。今日は滑って<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3372.html" target="_blank" title="転ばないように">転ばないように</a>注意しました。

猛暑で熱中症気味なった日もありました。極寒で雪が舞う中でも駐車場に行ったり来たりしました。

しかしとくに困るのは雨ですね。この夏はまるで熱帯地方のように、スコール(ゲリラ豪雨)が降りました。

それと比べれば、今日のようにシトシト降る雨など、可愛いものです。ただ、傘を差すのが面倒なのです。

傘を差し、カルテ(病歴ファイル)を持ちながら、しかも綿棒で鼻咽腔を拭うには、高度な技術が必要です。

その綿棒が1本だけ(=検査が1種類で1人だけ)なら、自分1人でなんとかこなせます。

しかし複数の検査や複数の患者さんの検査を一度に行うとなると、かなり厳しい。

そんな場合は、看護スタッフを付き添わせて、検査を介助してもらうこともあります。

でも今日の私は、綿棒2本を角度を付けて片手で持つという、ほぼD難度の技を繰り出し続けたのでした。

もしクリニックを建て直すなら、複数の陰圧診察室と、ドライブスルー検査ができる駐車場を作りたいですね。

ていうか、また新たな病原体によるパンデミックなど、もう想定したくないのが本音ですけど。

土曜の午後は、ワクチンタイム

今日の午後は、一般診療をお休みして予防接種だけを行いました。去年もこの時期、同じような事をしました。

1時台はコロナ、2時台は小児の定期接種、3時から6時まではインフルエンザワクチンの接種を行いました。

コロナとインフルエンザの両方の接種希望者が多いこの時期、今日のような集中接種日の設定が必要なのです。

両ワクチンの同時接種は、コロナワクチンの接種枠でのみ行いました。

コロナワクチンは、当院での接種歴のある方に限定して接種しているので、そのような運用になります。

本日当院でインフルエンザワクチンを接種した方は、他院等でいつでもコロナワクチンを接種できます。

インフルエンザワクチンとコロナワクチンの接種間隔において、規定(制限)が無いからです。

最近、HPVワクチンの接種希望者が増えました。夏休みに接種を始めた方は、今頃2回目の順番が来ます。

HPVワクチンとインフルエンザワクチンの接種間隔においても、特段の制限はありません。

しかし、HPVワクチンとコロナワクチンの接種は、2週間の間隔を空けなければなりません。

元々インフルエンザワクチンも、コロナワクチンとの接種は2週間以上の間隔を空ける規定がありました。

しかしどちらの感染症も切迫していたため、迅速な接種が行えるよう、その規定が撤廃された経緯があります。

その医学的根拠を得るため、同時接種等を行っても問題無いかどうか、複数の検討(研究)が行われました。

であるなら、HPVワクチンだって、コロナワクチンとの接種間隔の規定を撤廃してもらいたいものです。

ただ、両方とも筋注なので、同時接種は両肩への注射となってしまいます。

同時ではなく、2週間以内の自由な間隔での接種ができるようになれば、ずいぶん助かるんですけどね。

熊本空港・新ターミナル半年経過

熊本空港が<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-4189.html" target="_blank" title="新ターミナル">新ターミナル</a>になって、半年以上経ちました。

搭乗ゲートに売店・飲食店が直結した「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-4190.html" target="_blank" title="滞在型ゲートラウンジ">滞在型ゲートラウンジ</a>」がウリですが、私はあまり利用していません。

前にも書いたように、店舗が充実しているのは、現時点では保安検査通過後の制限エリア内だけだからです。

「熊本から帰る」人には良いですが、私のように「熊本から旅に出る」人間にはあまり用事がないのです。

ただし、孫に会いに行くような時なら、お菓子とかくまモングッズなどをどっさり買います。

以前の仮設ターミナルのときは、ちょっとした日用品を買える売店が制限エリア内にありました。

ガムとか、綿棒とか、ティッシュとか、手指消毒液とか、ハンカチなどの小物を買うことがよくありました。

空港に着いてハンカチを忘れたことに気付くことが私は多くて、何度も買いました。いまはそれも買えません。

ANA系の売店といえば「ANA festa」です。ANAカードを使えば割引価格で購入でき、マイルもたまります。

しかし熊本の新ターミナルにはありません。最近、伊丹空港からも姿を消したようです。店舗数が減ってます。

一方で、JAL系の売店は長い間「BLUE SKY」でしたが、今月から名称が「JAL PLAZA」に変わりました。

JALのシンボルカラーが赤でANAは青なのに、JALの店がBLUE SKYですからね。しかも赤文字で。

そんなオカシな捻れもこれで解消ですが、まあどっちみち、熊本空港にその店舗はありませんけど。

いまのターミナルの東隣に来年完成する商業施設ビルに、ANA festaもJAL PLAZAも入るのでしょうか。

旅行と飛行機に関連した雑誌と書籍に特化した専門書店も入れていただくと、とても嬉しいのですが。

日本の基礎研究は、どうナノ?

ノーベル化学賞は「量子ドット」の研究者が受賞しました。

「ナノテクノロジー」という微細な技術への功績が評価されたのですが、ただタイミングがどうなんですか。

なにしろその前日の物理学賞が「アト」ですから、「ナノ」ごときで「微細ナノ?」とか言われませんかね。

てなことはなく、量子ドットというすでに広く応用されている技術は、今後さらに広がりそうです。

ところが報道番組を見ると、受賞者情報流出の件ばかりが報じられ、その研究内容はサッと流されていますね。

本来のアカデミックな解説よりも末節のスキャンダルを、日本のメディア(そして国民)は好むのでしょうか。

研究を掘り下げて特集する気がないのは、このところ日本人の授賞者がいないからかもしれません。

残念なことに、日本はもう、過去の研究遺産を食い潰してしまったと言う人もいます。

近年の基礎研究は、他の国々にすっかり抜かれています。それもこれも、為政者の理解不足、浅慮に尽きます。

安倍元首相はかつて、「学術研究を深めるのではなく、もっと実践的な職業教育を行う」と述べました。

<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-95.html" target="_blank" title="某野党議員">某野党議員</a>ですら「2位ではダメなんですか」と言う始末。

与野党が共にこれでは、研究予算は付きませんね。そして将来のノーベル賞受賞も、まったく期待薄です。

ミカンは美味しい

ミカンが届きました。

冬がまた来る、なんてフレーズを思い出したりしますね。朝晩もずいぶん涼しくなりました。

父の実家(山口県大島町)がミカン農家だったので、私は幼少期からミカンをたくさん食べて育ちました。

冬にコタツに入ると、ほぼ無限に食べてましたね。当然、手のひらは真っ黄色になります。

でも最近は、ほとんど食べていないかもしれません。

なんとなく皮を剝くのが面倒なんですよね。剝いてまで食べるのかという疑念が生じ、結局、食べないのです。

いま自分で皮を剝く果物といえば、バナナぐらいですかね。

あるとき、ミカンの皮を剝いてくれと家人に頼んだら、それなら食べなくてもよろしい、との返答。

なので私も、じゃあ食べない、となって、以後十数年間、私はミカンを食べない日々が続いてきたのです。

ある意味で冷戦状態、未完(ミカン)の大局と言ってもよいでしょう。いったい、いつ完結(柑橘)するのか。

ですが、食卓に置いてある黄緑色の小ぶりのミカンを眺めていると、もう、食べたくて仕方なくなりました。

それで今夜ついに、禁断のそれを、自分で剝いて食べたのです。2個。

「アト秒」

ノーベル物理学賞は、「電子」の動きを観測する新たな研究を可能にした研究者が受賞しました。

「アト秒」と呼ばれる、きわめて短い時間だけ光を出す実験的な手法を開発した、のだそうです。

なんにせよ、想像を絶するほど短い時間だということは理解できます、アト秒。100京分の1秒。富嶽百景。

生理学・医学賞の「mRNAワクチン」開発とは違い、研究についての説明をメディアはほとんど諦めてますね。

せめて、今回の偉業を達成するまでの苦労話や意義について、もう少しぐらいは解説してほしいものです。

ミリ→マイクロ→ナノ→ピコ→フェムト→アト、という言葉は、今回知られるようになったかもしれません。

「フェムト(f)」なら、日頃よく目にします。体積の単位「フェムトリットル ( fl )」などです。

たとえば、ヘマトクリットを赤血球数で除した赤血球1個当たりの容積(MCV)は、正常値が90 fl 前後です。

これが低値だと鉄欠乏性貧血の目安となるので、次の採血で血清鉄やフェリチンを調べることになります。

「アト(a)」を日常で使うことはないですね。「アトぜき」ぐらいですか。違うか。

「アト一歩」なんて言う時は、もうホント、すごく惜しいときの表現なんでしょうかね、違いますね。

でもそれを言うなら、「mRNAワクチン」開発の詳細も、メディアは十分には解説しきれていません。

「ウリジン」を「シュードウリジン」に替えたというブレイクスルーも、まったく解説が膨らみません。

もちろん私にも、その解説をする能力がありません。すみません。ワクチンは使わせていただいておりますが。

タミフルを飲まなくてもインフルエンザは治る

10月になり、新型コロナウイルス感染症の診療が少し、変わりました。

たとえば、当院でも処方してきたコロナ治療薬の「公費支援」が、「全額」から「一定額のみ」になりました。

自己負担の上限額は、3割負担だと9,000円です。これまで自己負担ゼロだったので、その差は大きいですね。

もともと10万円近い薬なので、最終的に公費負担がなくなれば、自己負担が約3万円になる日が来ます。

この高額な自己負担を考えると、今後この薬を希望するのは、1割負担の方だけになりそうです。

一方で、インフルエンザが陽性の場合には、タミフルなどの抗ウイルス薬を希望する方がほとんどです。

皆がタミフルを飲んでいるので自分も飲む。元気でも飲む。いかにも日本的な、言うなれば反射的同調ですね。

その結果、世界中のタミフルの75%を日本が消費しているという、驚くべきタミフル愛好国になっています。

ところが今シーズンは、インフルエンザの陽性者でも、タミフルなどの処方を希望しない方が目立ちます。

ひところ騒がれた「異常行動」(ただし濡れ衣)を恐れているのではなく、薬を必要とは思わないようです。

想像するに、新型コロナを特別な治療薬も飲まずに治した経験が、その方にはあるのかもしれません。

そうなのです。インフルエンザに罹ったからといって、必ずしも抗ウイルス薬を飲む必要はないのです。

タミフルなどは、高齢者や基礎疾患のある方などが限定的に使う薬だと、そろそろ考えるべきかもしれません。