カスタマーサービスからの電話

「電力のカスタマーサービスです」という女性からの電話がありました。

「九州電力のカスタマーサービス」というニュアンスを出したい雰囲気が漂い、臭います。

電「このたび、電気料金が値上げされますが・・・」

私「あ〜、それでしょ。最近聞きました」

「そうなんです。それで・・・」

「その前に、そちらは九電の方ですか」

「カスタマーサービスです」

「九電の?」

「株式会社カスタマーサービスです」

「会社名が『カスタマーサービス』ですか」

「はい。このたびの値上げ・・・」

「値上げされるのは、九電ですか?」

「はい。このたび・・・」

「よかった〜。ウチは九電じゃ無いんです。安心しました。教えてくれてありがとうございます」(ガチャ)

誤解を招きかねない、いや誤解を招こうとする意図が見え見えの電話は、最初からもうダメですね。

酒気帯び運転で心臓外科医が懲戒免職

酒気帯び運転で物損事故を起こした熊本市民病院の小児心臓外科の医師が、懲戒免職処分になりました。

開業前の7年間、私が奉職していた市民病院の、若き心臓外科医です。私の後輩です。残念でなりません。

と同時に、どうして飲酒後の運転が絶対にダメだと判断できなかったのか、不思議でなりません。

私もずいぶん昔の大昔、まだ体内にアルコールが残っているのに運転した過去はあります。

しかし近年は、どのような微量の酒気であっても、絶対に運転はしません。

例の福岡での悲惨な飲酒死亡事故以降はなおさらです。酒気帯び運転が疑われることさえ、避けています。

酩酊していなくても、加齢によって運転能力が乏しくなって事故る方もいますが、それはまた別の話。

少なくとも、飲酒した後に運転するのは故意の行為であり、加齢よりもはるかにタチが悪い犯罪行為です。

その意味で、今回のようにたとえ自損事故で被害者がいなくても、厳しい社会的制裁は免れません。

奇しくも、橋の欄干に衝突したようです。福岡の事故も橋の上でした。今回はホントに、自損で良かった。

他人を殺さず、誰も傷つけずに済んだことが、どれほど運が良かったかと思わなければなりません。

医師の猛省と社会復帰、そして将来は心臓外科医として多くの子どもの命を救うことを、心から願っています。

Apple Watchを着けているのはおもに、外出中と睡眠中です

いま使っているApple Watchは、2019年の12月に購入した「Series 5」。私のWatchでは2代目です。

その翌年から世界がコロナ禍に突入。手首の消毒のため私は仕事中の装着は控えるようになり、今に至ります。

Watchを着けているのは通勤中と休診日と、それから夜間睡眠中に不整脈監視のために使っています。

そのApple Watchが、昨夜突然、画面が真っ暗になりました。何も表示されない状態になってしまいました。

職場から帰宅後、いつものように充電器に乗せると充電中のマークが出るはずなのですが、出ません。真っ暗。

トントン叩いて振動を与えても、Digital Crownを押しても、真っ暗なままです。故障?それとも、寿命か?

試しにサイドボタンを押してみると、ブルブルっと震えて、まだ生きてるぞ、と教えてくれました。

私はしかし薄情にも、Apple Watchの買い替えなどを考えて、妄想を膨らませ始めてしまいました。

明日の朝も真っ暗だったら、それはもうしかたない。明日は、新Watchの選定作業をすることにしようと。

でも夜中になってふと、Watchの蘇生について、なにも努力をしていなかったことに気づき、後悔しました。

明日の朝いちばんに、Appleのサイトで調べて、何か処置を試みてみよう。諦めるのはそれからだ。などと。

で、今朝。Appleのサポートサイトに「Apple Watch 真っ暗」と入力。似たような事例がすぐ出てきました。

そこには「画面スリープ」を解除せよとあります。まず手首を起こせと。

いやいや、そんな簡単な話じゃないのですよ。まあとりあえず、手首にはめてみますけど。

Watchを充電器か取り上げ、手首に巻こうとした瞬間、驚いたことに、画面が点灯しました。

「はい、どうも〜」という感じでいつもの画面が出て、次にパスコード入力画面に切り替わりました。

ありゃま。普通に元気じゃん、このWatch君は。いやいや。見捨てようとして、申し訳なかったね。

インフルエンザワクチンは、左右交互接種しています

新型コロナワクチンもインフルエンザワクチンも、接種するのはたいてい、利き手と反対側の肩や腕です。

あとでひどく痛んだ場合に、それが利き手ではない方が都合が良いからです。

中には、適度に力が抜けて良い感じなので右にお願いしますと利き手を差し出す人もいましたが、例外的です。

さらに私は、インフルエンザワクチンを2回接種する際には、1回目は左腕、2回目は右腕と決めています。

もちろん、2回目も左に打ってくれ、という被接種者本人(または保護者)の希望があればそれに従います。

実は以前から、同じワクチンを同じ腕に「反復接種」すると、局所副反応が起きやすいという話があります。

毎回左右を変える「交互接種」の方が、反復接種よりも強い免疫が付いた、という研究結果もあります。

なので私は、乳児のヒブや肺炎球菌ワクチンなどでは「交互接種」を採用しています。

生後2カ月の「ワクチンデビュー」では、左ヒブ・右肺炎球菌と決めています。ヒブ=「ひ」=左と覚えます。

翌月は左右を逆にして接種し、その翌月はまた左右を変えるのでヒブが左腕の接種に戻ります。

実は、インフルエンザワクチンも含めて多くの不活化ワクチンで、添付文書に次のような記載があります。

「接種部位は、通常、上腕伸側とし、アルコールで消毒する。なお、同一接種部位に反復して接種しないこと」

これは、MRワクチンや水痘ワクチンなどの生ワクチンの添付文書には見られません。

医学的根拠は不明ですが、不活化ワクチンで交互接種をルールとするからには、何か理由があるのでしょう。

そんなこともあって私は、インフルエンザワクチンも交互接種を原則としているのです。

コロナは激減、インフルはまだ注意報レベル

コロナとインフルエンザの流行状況について、最近あまり書いていなかったので、久々にまとめてみます。

当院でも、熊本でも、全国的にも、コロナが減ってインフルエンザが増えています。

全国の新型コロナの定点あたり報告数は、最近の5週間は、11.0→8.8→5.2→3.8→3.3、と減り続けています。

熊本県でも、12.7→11.3→6.4→3.3→2.7、熊本市でも、12.6→10.4→5.1→3.0→2.2と、同じ傾向です。

一方でインフルは、熊本市では、9.8→10.0→17.2→11.0→13.0と、注意報レベルをウロウロしています。

どういうわけか、爆発的に増えて警報レベルに向かってる、というわけでもない、微妙な推移です。

同時期の当院での診断数は、コロナは36→18→12→14→8 インフルは46→21→16→28→31、でした。

これも同様に、コロナは激減したけど、インフルは激増というほどでもない中途半端な増え方です。

それでもおそらく、来月には警報レベル(=定点あたり30以上)にはなりそうです。

この流行状況に一致して、インフルワクチンの接種希望者はとても多く、コロナワクチン希望者はわずかです。

感染者も、検査数も、ワクチン接種も減って、もうコロナは「オワコン」なのでしょうか。

だとしてもコロナはまだゼロじゃないので、発熱外来はまだしばらく続けることになるんでしょうね。

「モーターショー」は「モーター車」のショーへ

「ジャパンモビリティーショー2023」(旧東京モーターショー)が開幕しました。

車に限らず乗り物全般を展示対象にしようと、「モーター」を「モビリティー」に改めたわけですか。

それなのに、「モーター」を使った乗り物ばかりが出てるとはこれいかに。

EVへの過渡期であるからこそ、ガソリンエンジン車も最後っ屁をかましてほしいところです。

モビリティー・ショーは環境会議じゃないですからね。あくまで「乗り物展示会」ですから。

先進性が重要だとしても、エンジン車のドライブフィールまで失われて良いものか、少々疑問です。

移動手段や居住空間としてだけでなく、スポーツや趣味としての車、というカテゴリーもあると思うのです。

腕時計はクオーツが標準ですが、メンテが面倒で不正確な機械式時計がいまだに愛好されるようなものです。

環境に優しいなどと言いますけど、EVだってその電気の出自まで遡れば、清廉潔白ではありません。

どうしても環境が大事なら、人類はもう、歩くか自転車しかないですよ。

とは言うものの、車がEVへ向かう流れは止まらないと思います。すでにEV乗りの私が考えるEVの利点は、

(1)排気ガスと騒音を出さない:街中の大気汚染が減って静かになる(発電所周辺のことは知らん)

(2)自動運転との親和性が高い:非自動運転車とうまく共存できるのかが心配

(3)低速でトルクがあるので街乗りが楽:高速道路をぶっ飛ばすのも楽

(4)自宅で充電できる:街中の充電インフラが不足しているので、集合住宅の方にはまだ不便

(5)電費が安い:私の車の場合、夜間に約800円分充電すると200〜250kmほど走れます

(6)車内が静か:エンジン音が聞こえない分、ロードノイズや風切り音がうるさく感じるのは我慢です

支援や給付は、受け取りやすい方法でお願いします

減税1人4万円ですか。全体で5兆円規模とはいえ、首相が声高にアピールする施策にしては芸が無いですね。

このさい減税とか金のバラマキなんて、キッパリやめてしまいましょうよ。

5兆円余っているのなら、どこかに狙いを定めてドーンと投入した方が、よっぽど効果的で有意義ですよ。

たとえばそれは、少子化対策です。結婚・妊娠・出産・育児を支援する予算を、大幅に増やしてみませんか。

そう言えば、「熊本県医療機関等物価高騰支援金」の申請締切が今月末に迫っています。

「物価高騰による経費上昇分を利用者に転嫁できない保険医療機関等」を対象に、国の交付金を活用するもの。

無床診療所は7万円もらえますが、ずっと申請せずに放っていたら、県から「督促状」が届きました。

「申請がお済みでない施設は、期限までに申請をお願いします!」だと。まあ親切なことです。

「支援してやるから早く申請してくれ」という、「申請主義」に縛られたお役所の悲痛な叫びにも聞こえます。

あのね、支援金を拒む理由なんてないんだから、勝手に振り込んでくれませんか。お互い通信費がムダですよ。

今年の2月にも同じような支援金があったから(あの時は10万円)、振込口座等の情報はわかってるでしょ。

とは言え、月末に電話でもかかってグチグチ言われたら面倒なので、昨日、申請書をメールしました。

この手の支援金は、プッシュ型給付でチャッチャと済ませてくれませんかね。

ジェネリック医薬品不足

ジェネリック医薬品大手「沢井製薬」の胃薬「テプレノンカプセル」に、品質管理上の不正が発覚しました。

薬を包むカプセルの品質が悪くて劣化しやすいため、新しいカプセルに入れ替えて試験を行っていたようです。

新任の担当者が正しく検査をしてしまい、まったく溶けなかったカプセルがあることが発覚。お粗末な話です。

つまり、たとえ薬の主成分に問題が無くても、カプセルが悪くて効果不十分な医薬品だったということです。

「テプレノンカプセル」といえば、「レバミピド錠」と双璧をなす、日頃とてもよく使われる胃薬ですね。

先発品名はそれぞれ「セルベックス」と「ムコスタ」です。パッケージの外観も先発品と後発品は似ています。

ジェネリックを嫌う人にはその品質を疑う方が多く、以前なら、私はその考えをキッパリ否定していました。

それは偏見ですよ。大手メーカーのジェネリックの品質は信頼できますよ。問題ありませんよ、と。

でも実際は、問題大ありじゃないですか。「安かろう悪かろう」じゃないかと言われれば、反論できませんよ。

3年前の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3371.html" target="_blank" title="「小林化工」">「小林化工」</a>の不正事件に始まり、翌年は「日医工」の不正と、ジェネリック業界の問題が続きます。

メーカーの業務停止や自主回収などによって、医薬品の供給はいま極めて不安定で、品薄が続いています。

そのとどめが、今回の沢井製薬です。これで医薬品の品薄はますますひどくなるかもしれません。

いずれもしっかりしたメーカーだったのに、手抜きや不正をせざるを得なくなった要因があるのでしょう。

ジェネリックメーカーは数多くの医薬品を製造しており、その多くがひどく安価な不採算品目だそうです。

他のメーカーが業務停止や出荷停止をしても、それを補うために不採算の薬は増産しにくいわけです。

さらに2年に1度の薬価改定で約10%ほど薬価が下がるため、メーカーの儲けはどんどん減るといいます。

メーカーを追い詰めたのは、薬価制度や製薬行政に根本的な原因があるのかもしれません。

「外硬内柔」

夕食後のデザートは絶対に欠かさない私ですが、今日のそれは「カヌレ」と「フィナンシェ」でした。

鶴屋のフランス展の、「ドミニクドゥーセ」という店で売っていたそうです。

「カヌレ」は「溝」の意味だそうで、運河「canal」やラテン語で「管」を表す「canalis」と同語源でしょう。

「フィナンシェ」は「金持ち」の意味ですか。「finance」と同語源。形は金の延べ棒のイメージですね。

これらには「外が硬くて中が柔らかい」という共通点があって、口にしたときの食感が似ています。

でも私の好きな順で言えば、ダックワーズ>フィナンシェ>カヌレです。(急にダックワーズが登場)。

「ダックワーズ」は、外側がパリッと内部がフワッとして、その極端なギャップが良いのです。

そう言えばステーキでも、同じような「外硬内柔」ともいうべき焼き方が美味しくて好まれますね。

噛みごたえのある固さがあり、しかし噛んでみるとジューシーというのが、食感として理想形なのでしょうか。

まあ確かに、外側が柔らかいけど噛んでみたら中が固かった、という食べ物はあまり食べたくないですね。

ワクチンは同時接種がオススメ

新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンの同時接種を希望する方は、意外に多いですね。

今月これまでに当院でコロナワクチンを接種した85人のうち、35人(41%)がインフルも同時接種しました。

これは、コロナワクチンの接種を受けた方のほとんど(78人=92%)が高齢者だったからかもしれません。

同じ日に接種ができることは、両方のワクチンを早く接種したい方にとっては、都合の良いことです。

以前は「14日」の接種間隔が必要でしたが、いまは「14日未満」でもOKとなり、同日もこれに含まれます。

日程を気にせず、コロナとインフルを別々の場所(医療機関や職場等)で接種することもできます。

子どもの定期予防接種でも、かつての厳しい接種間隔規則は緩和されて、とても接種しやすくなっています。

以前はすべてのワクチンで、同時接種はOKだが翌日接種はダメ、という時期がありました。

さらに同日でも別の時間帯はダメ。連続した時間帯に、同じ医療機関で接種しなければなりませんでした。

同日が良くて翌日や別時間帯はダメだという、医学的根拠に乏しい規定がやっと見直されたわけです。

さてコロナワクチンは、いまのところインフルエンザワクチンとの接種間隔のみ、規定が撤廃されています。

コロナはおもに成人が接種するのでそれでも良いですが、他のワクチンがダメな理由は、多分ありませんね。

同時接種が問題無いことを裏付ける研究が、他のワクチンではあまり行われていないだけでしょう。

話は変わりますけど、いま予防接種で変えてほしいのは帯状疱疹ワクチンの納入価格です。

テレビのCMで接種する気にさせておきながら、異常に高額な料金設定は詐欺ですよ。(※当院では4万4千円)