「フィジカル」を生かす

ラグビーワールドカップフランス大会。日本代表は、明日未明、サモアと対戦します。さあ、どうなるか。

フィジカルを生かしたサモアに対して、日本は素早い攻撃で対抗する、などという予想記事をよく見かけます。

私はしかし、その「フィジカル」という言葉を聞くたびに、いつも違和感で思考停止してしまうのです。

だって “physical” は形容詞でしょ。フィジカルを生かすとか、フィジカルが強いとか、おかしくないですか。

その意味でのフィジカルは、本来は “physical characteristic” でしょうから、その省略形なんでしょうね。

似たような表現で、「メンタルが弱い」なんていう言葉も、どうかと思います。 “mental” は形容詞ですから。

メンタルが弱いなら、 “mentally weak” ですよね、たぶん。これも何かを勝手に省略してるに違いない。

「医師」は英語で “doctor” ですが、「外科医」“surgeon” と区別した場合の「内科医」は “physician” です。

フィジカルを生かすのはどちらかというと外科医の方だと思うのですが、フィジシャンは内科医です。

内科医がフィジシャンなら、外科医はマジシャンだ。勤務医時代に私は、そう言ったことがあります。昔です。

ちなみに私の世代だと、フィジカルと聞いて真っ先に思い出すのは、オリビア・ニュートン=ジョンですよね。

フィジカルをいちばん生かしたのは、彼女かもしれません。(お後がよろしいようで)