急(せ)いて事をし損じた典型

マイナ保険証のトラブルが続きます。過去の作業ミスが、どんどん発覚しているのかもしれません。

医療機関で利用してはじめて紐付けミスなどが見つかるわけですから、トラブルはしばらく続くことでしょう。

「マイナポータル」で確認すれば良いのでしょうけど、その確認方法を周知し始めたのはつい最近の話です。

問題の根幹を考えてみると、もともと保険証は、マイナ化するには関連部署が多すぎたということでしょう。

保険組合や保険者が無数にあって、国や自治体関連や民間も多い。作業に関与する組織が多すぎるのです。

その意味では、運転免許証であれば、むしろマイナ化は容易だったかもしれません。

マイナ保険証で問題になりやすいのは、転職等によって保険者などが変わった場合です。

その変更がマイナ保険証に反映するまでに、かなりの時間がかかります。保険組合によっては1カ月以上も。

大きな事業所であるほど同時期の異動が多く、しかもまとめて事務作業をするので時間がかかるのでしょう。

保険証の切替情報の反映は、従来の保険証よりもマイナの方が格段に早くなると、当初は期待されていました。

それによって、例えば「資格喪失後受診」という面倒事が劇的に減らせるはずでした。

ところが現状は逆。マイナ保険証に問題があれば、念のため従来の保険証での確認が求められる始末です。

マイナ保険証の仕組みは今後だんだんと完成度が上がり、やがて日本中で利用される日が来るでしょう。

それまでしばらくは、従来保険証も並行して発行すべきことは当然のこと。急いては事をし損ずる、ですよ。