危機感を抱くべき感染拡大中なのに

発熱外来受診者にコロナの検査を勧めると、「いまコロナ流行ってるんですか?」と尋ねる人が多いです。

コロナが第9波に入っていることは報じられていますが、そのインパクトが伝わって来ないのでしょう。

その、いまひとつインパクトに欠ける「定点あたり報告数」は、「5類化」以降毎週着実に増え続けています。

熊本県の最新週の(6/19~6/25)報告数は、定点あたり8.75でした。

5/8からの推移を見れば、2.06→2.30→2.41→3.54→5.43→6.38→8.75と、危機感を抱くべき増え方です。

発熱外来をやっていると、この数字は脅威に感じますが、それが世の中には必ずしも伝わっていないようです。

コロナによる学級閉鎖が出ている学校と、そうでない学校では、とくに大きな温度差を感じます。

今日の発熱外来のコロナ陽性者は6人でしたが、そのうち3人は、周囲にコロナなどいないという方でした。

そのような方は検査にも応じてくれない場合が多いのですが、説得して検査したら、しばしば陽性が出ます。

5類化以降、世の人々の危機感が、感染の実態とはかなり乖離しているように思えます。

メディアには、危機感を煽れとは言いませんが、実態をもっと具体的に切実に報じてほしいものです。