「G7広島サミット」閉幕

G7広島サミットはしかし、すごいことになりましたねぇ。

国際的な重要案件が山積みの中で、岸田首相は大きな結果を残したと言うべきでしょう。

ゼレンスキー大統領が合流するという展開も、周到に準備されたこととはいえ、出来すぎです。

いや、そんなことに感動している場合ではありません。西側の代表全員が、1カ所に集まって大丈夫なのか。

そこを狙われたらどうするつもりなのか。某国の大統領が危険な誘惑に駆られないかと私は心配でした。

いや某大統領は我慢しても、別の某国が余計な攻撃をしてしまうとか、つい不測の事態を考えてしまいました。

映画の見過ぎでしょうか。

もっとも、例えば米国大統領に万一のことがあっても、それを完璧にカバーするシステムが構築されています。

他の国でもおおむね同様でしょう。なので現大統領や現首相を亡き者にしても、西側諸国は揺るがないのです。

一方で、東側諸国(まだそう言うのか?)では、元首が倒れたら何が起きるかわからない雰囲気がありますね。

今夜9時過ぎにバイデン大統領、9時半過ぎにはゼレンスキー大統領が、それぞれ帰国の途についたようです。

とりあえず、映画のような最悪の事態は免れました。よかった。

定点把握で感染の推移を見る

新型コロナウイルス感染症が「5類化」されて初めての、定点あたりの感染者数の集計結果が昨日出ました。

厚労省は、定点に指定した医療機関が昨年10月以降これまでに報告していた感染者数を、再集計しています。

これにより、感染者の実数ではなく定点報告数によって、昨年以来の感染の推移を見ることができるわけです。

さらに、定点あたり報告数から都道府県や全国の新規感染者数を推定することも、理論的には可能です。

とは言え、5類化によってコロナ診療医療機関が増えれば、一医療機関あたりの感染者数は相対的に減ります。

定点医療機関の報告数からの推定値では、全体の感染者数が低く見積もられる可能性はあります。

それで思うのですが、診療報酬を請求するときに提出するレセプトのデータって、利用できないんですかね。

PCRなどのコロナの遺伝子検査を行った場合、結果が陽性か陰性かをレセプトに記入しなければなりません。

あれって何のためでしょう。医療機関に面倒なことさせるのなら、そのデータを利用したらどうですかね。

ついでに言うなら、何時何分に検査したかをレセプトに記入しなければならない面倒なルールもあります。

コロナ診療や統計解析の役に立つなら多少の面倒も我慢しますが、検査時刻の正確なデータって必要ですか?

まるで、医者の架空検査・架空請求を防ぐために作られた障壁みたいで、気分悪いですよ。

特別塗装機

羽田空港はひどく混雑していましたが、今日はANAの「グリーンジェット」に搭乗できて、私は大満足です。

グリーンジェットは、持続可能な社会の実現を目指し立ち上げた、ANAのプロジェクトのよる特別塗装機です。

国内線定期便では初めて代替航空燃料「SAF(Sustainable Aviation Fuel」を10%相当使用しているとか。

ANAの本来は青を基調とする塗装が、緑です。緑の葉っぱも生えています。

初号機は国際線専用ですが、今日私が乗った2号機(B787–8、JA874A)は、国際線仕様の国内線機材です。

外装には、「サメ肌効果」によるCO2削減効果のある「リブレット技術」のフィルムを貼り付けています。

座席のヘッドレストカバーには、「ヴィーガンレザー(植物由来成分の人工皮革)」を使っているそうです。

いずれも、なんのことやらよくわかりません。

ANAの特別塗装機といえば、去年登場した「鬼滅の刃 じぇっと」でしょう。「じぇっと」はひらがなです。

「–壱–」「–弐–」「–参–」の3機が、順次登場して、あちこちを飛んでいます。

3機いるので、時々見かけます(昨日も見ました)が、まだ一度も搭乗したことがありません。

「STAR WARS プロジェクト」の一環で運航を開始した「C–3PO ANA JET」なら、一度乗りました。

全身が真っ黄色なので、通称「たくわん」です。上空を飛んでいてもすぐ分かります。

これらの特別塗装機は、通常は運航便が固定されておらず、狙って乗れるものではありません。運次第です。

「鬼滅」はひと頃は運航便が固定されていましたが、いまは原則不定です。今朝は熊本に来たようですけどね。

と思っていたら、テレビアニメ放送開始記念とかで、一部スケジュールが固定されてるじゃないですか。

例えばある日は「–弐–」が、羽田→那覇→羽田→広島→羽田→函館→羽田、と飛ぶことが決まっています。

6便制覇するマニアも、きっといるだろうなぁ。

アイランドホッピング

「アイランドホッピング」とは、島から島へ、ピョンピョン跳び(飛び)渡る旅のことです。

以前私は、福岡–対馬–長崎を、行って戻ったことがありますが、今日は先島諸島でこれをやってみました。

おりしも今日は、沖縄・奄美地方が梅雨入りしました。これは例年よりもだいぶ遅い梅雨入りです。

気象庁がそれを発表した午前11時ごろ、私は雨降る熊本空港を沖縄に向かって飛び立ったのでした。

飛行機はだいぶ揺れましたが、驚いたことに沖縄は晴れていました。

那覇空港は大混雑です。一般人も多いのに、修学旅行の生徒たちがあちこちで列をなして床に座っています。

私は例によって、短い乗り継ぎ時間で旅程を組んでいるので、通路の人垣はなかなかの障害になります。

また保安検査場が混雑しているとの情報があり、今日はなるべく制限エリアから出ないことにしました。

ピョ〜ンと石垣島まで飛びながら空から眺めると、沖縄とはまた段違いに海と島が綺麗ですね。

ですがなにしろ私はホッパーですから、その乗って来た飛行機で那覇に跳び帰ります。座席も同じ。

クルーも同じなので、搭乗時にCAさんから「お帰りなさいませ」と言われてしまいますが慣れっこです。

降機時に「ありがとうございました」と挨拶があるところを、今日は「お疲れ様です」とねぎらわれました。

そんな辱めを受けつつ、また那覇空港の混雑を尻目に、足早に、次の宮古島へ跳んだのでした。

石垣も宮古も、降機後に他の乗客と一緒に歩いていたら、制限区域から出てしまいます。注意が必要です。

係員を見つけたらすぐに乗継を伝え、裏道を案内してもらいましょう。熊本も裏道があるといいのにね。

「話の腰をもむ」

毎日数十人もの「健康に何らかの不安などがある方」と、短時間の面談をしています。つまり、対面診療です。

「体調良好」とか「経過順調」で済むような方も多いですが、それでも、話が長いか短いかは別問題です。

多くの情報を語っていただける方(よくしゃべる方)からは、内容を取捨選択しながら、聞き役に徹します。

それでなお情報が不足するなら、少し質問をします。するとまた、さらに多くの情報を語っていただけます。

一方で寡黙な方には、お困りの概略を尋ねつつ、徐々に掘り下げて聞き込んでいくことになります。

診療ではなく一般の会話では、その場で誰が何の事柄について話し始めたか、私はそれを大切にしています。

以前、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3842.html" target="_blank" title="SNSでの会話について書いた">SNSでの会話について書いた</a>ことがありますが、対面での会話ならなおさらのことです。

「コロナどうなるかねぇ」に対して、「それよりマイナ保険証ってどうなん?」と話題を変えるのは論外です。

「昨日、鶴屋で有名人見たよ!」という発言に、「私はけっこうよく見かけるよ」とマウントとるのもNG。

何よりも、話の腰を折らないことが、聞き手として守るべきいちばん大事なルールだと、私は思っています。

興味津々な相づちを打ち、ときに驚嘆し、あるいは落胆して見せ、話し手には存分に話させてあげましょう。

そして話がこなれてきた頃を見計らって、「そういえば私も」と自分の話を切り出すのが奥ゆかしいのです。

以前の私は、自己中な誰かに自分の話の腰を折られても、それをそのまま許容してしまう腰砕けな性格でした。

ですが年と共に図太くなり、最近は腰を折られてもひるまず、頑固に自分の話を続けられるようになりました。

こうして最悪の場合、自己中と頑固者がそれぞれの話を続けて平行線をたどったりします。

「廊下は走りません」

大型連休が終わり、毎年5月中下旬は学校健診の時期です。

休診日を利用して、学校医をしている近隣の小学校と、嘱託医をしている近隣の保育園の内科健診を行います。

連休前まではインフルエンザの学級閉鎖もありましたが、今はすっかりなりを潜めています。コロナもしかり。

児童も園児もなにしろ元気なので、健診後はいつも、おおいに元気をもらって帰ることになります。

診察前に「よろしくお願いします」、診察後には「ありがとうございました」と挨拶する子がいます。

ほぼ全員が挨拶してくれるクラスと、ほぼ挨拶無しのクラスがあるので、担任の先生の指導の違いでしょうね。

たとえ担任に命じられた画一的な挨拶であっても、気持ちの良いものです。お返しの挨拶をしたくなりますね。

このような習慣がやがて身につくと、抵抗なく自発的に自然と挨拶が出来る子に育つのでしょう。

保健室の外の廊下に座って待っている子どもたちは、最初は静かでも、だんだんと騒々しくなってきます。

私が小学生の頃は、学校医の先生の怒鳴り声が聞こえる場面ですが、さすがに私はそんなことはしません。

そのかわり担任の先生が、「おしゃべりをしませんっ!」と、それはそれは恐ろしい大声を発します。

こういう時の先生って、どうして命令形じゃなくて否定形で命じるんですかね。

5月14日は種痘記念日

5月14日は「種痘記念日」でした。1日遅れて書くのはダサいかもしれませんが書きます。

イギリスの外科医エドワード・ジェンナーが、世界で初めて「種痘」を行ったのが5月14日だそうです。

と書くと、いまの若い方には、「種痘」って何でしゅと?、てことになりますか。

「牛痘」に罹った人は「天然痘」に罹りにくい事実を知り、牛痘の水疱の液を人に接種したのが種痘です。

それじゃあ「天然痘」から書かなきゃだめですか。「牛痘」は勘弁してください。

天然痘は、何千年も前から人類を苦しめてきた感染症で、水痘(みずぼうそう)に類猿のウイルス疾患です。

死亡率は高く合併症も多い恐ろしい病気でしたが、種痘によって地球上から撲滅することが出来ました。

子どもの頃、ジェンナーは我が子に接種を試したと本で読み、研究者のもとに生まれたその子に同情しました。

ところが後に、実は使用人の子に接種したのだと知り、それはそれで複雑な心境になりました。

欧米でも日本でも、天然痘と種痘の歴史は人々の苦悩と共にあり、じつに興味深いですね。

種痘は、フォンデュのフォークを尖らせたような太い二又針を皮膚に刺して接種し、醜い瘢痕が一生残ります。

日本では1976年を最後に種痘が廃止されたので、だいたい48歳以上の方(肩)にだけ、その瘢痕があります。

近年は生物兵器対策として、さらに最近は<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3883.html" target="_blank" title="サル痘">サル痘</a>にも交差免疫が得られるので、種痘は期待されています。

でも、もしもサル痘が大流行して種痘の臨時接種が始まるとイヤですね。接種する側としては気が進みません。

「5類化」第1週を終えて

5月8日の「5類化」後、新型コロナの日々の新規感染者数がわからなくなっています。

全数の把握は完全に終了し、1週間単位の「定点把握」、つまりサンプリング調査に切り替わりました。

毎日一喜一憂するのはやめて、大きな流れがわかればいいと決めたわけですから、慣れるしかありません。

その定点把握の「第1週」は5月8日(月)〜14日(日)、つまり今日までの1週間です。

この1週間の集計結果が、5月19日(金)に発表されます。だいぶタイムラグがありますね。

当院が定点医療機関であれば、この期間の新規感染者は5人と報告することになります。

その前の1週間は8人なので減少傾向がありそうですが、当院のデータだけでは統計学的な意味はありません。

日曜日の発熱外来受診者はまだ多いですが、「有料化」したコロナ検査は希望しない人がやはり増えました。

周囲にコロナはいない、症状も軽い、どうせ薬が無い、検査料が高い、などが検査を受けない理由です。

今日は陽性者が3人出ましたが、3人とも、周囲にコロナはいないけど、という方の念のための検査でした。

軽症の潜在感染者が、もうあちこちにウヨウヨいるのでしょう。まさしく、(狭義の)ウィズコロナですね。

陽性が出たら面倒、会社が休めない、という方も増えて来ました。これもコロナが軽症化したゆえでしょう。

発熱者のコロナ検査率は今後ますます低くなるでしょうから、定点把握の数値の正確性もかなり疑問です。

マイナ保険証の「紐付け間違い」

マイナ保険証に他人の情報が登録されていたという「紐付け間違い」事案が、波紋を広げています。

健康保険の運営者のデータ入力ミスが原因だそうですが、同様のケースが7,300件余り確認されたとのこと。

個人情報の根幹に関わるマイナンバーカードでも、事務作業のうっかりミスで、こんなことが簡単に起きます。

世の中は大騒ぎになっていますが、でも私に言わせるなら全然想定内。予想通りの出来事です。

どんな情報であれ、データ入力には手作業が介在します。所詮人間のやることですから、どこかで間違います。

もちろん、チェックシステムを改善すべきですが、どっちみち人為的ミスを完璧に防ぐのは無理でしょう。

医療機関は、マイナ保険証をオンライン資格確認システムのリーダーに通すことで、患者情報を取得します。

資格の有無のほかに保険証情報等を取得できるわけですが、それも大元の情報が正しいことが大前提です。

当院でも、紐付けの間違いではないですが、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-4207.html" target="_blank" title="紐付けの遅れ">紐付けの遅れ</a>によって誤情報が表示されたことがありました。

保険証の「切り替え」後に情報が更新されるまで10日間を要した事例として、以前書いた通りです。

関連部署の事務作業が追いつかないでしょうから、リアルタイムでの情報更新など原理的に無理でしょうね。

マイナ保険証のセキュリティの強さや正確さや利便性も、運用次第で台無しになるということです。

「SIMスワップ」によるスマホ乗っ取り

「SIMスワップ」によって他人のスマホを乗っ取り、不正送金する詐欺事件が報じられました。

スマホ紛失と偽り、偽造免許証を使って被害者になりすまし、販売店でSIMカードを再発行するのが第1段階。

被害者に「電話がつながらん!」と気付かれる前に、ネット銀行にログインして不正送金を行ってしまいます。

よく言われているように、スマホを紛失したと言って来店した客を安易に信用したことが、第1の問題です。

紛失したという電話番号に、念のため発信してみるという確認作業は必須です。まず、いったん疑いましょう。

免許証も、偽造だと見破れないほど精巧だったのかどうか。確認作業がおざなりだったのかもしれません。

スパイ映画で見るようなレベルの偽造を、国内で製作可能な組織があるのなら、これはもう、お手上げです。

ですが多分販売店では、免許証の確認など形骸化していて、それを偽造だと疑うことは想定していないのです。

最近、スマホへの電話(簡単な質問)やショートメールによる、「スマホ頼み」の本人確認が増えました。

スマホには生体認証のセキュリティがあるので、本人のスマホを使える人は本人のはずだと考えるのでしょう。

そこが問題なんですね。SIMスワップでなりすましたスマホは、生体認証など関係ないですから。

一部のネットバンキングでも使われているような、取引時に生体認証が必要となるような仕組みが必要です。

あるいは、SIMが無効化した時にスマホにアラートが出るような設定にはできませんかね。