オンライン資格確認は、リアルタイム資格確認ではない

「オンライン資格確認」を当院でも導入しましたが、これは「マイナ保険証」のためだけではありません。

従来の保険証でも、「オンライン」で被保険者の「資格」が有効かどうかを「確認」することができるのです。

このシステムによってたぶん、「資格喪失後受診」を防げるだろうと、私は期待していたのですが・・・

職場等が変わって被保険者資格を喪失している方が、うっかり、その保険証で当院を受診することがあります。

保険証に記載の有効期限の範囲内なら、医療機関としてはそれ以上疑わず、診療を受け入れることになります。

すると2,3カ月後に保険者から「資格喪失後受診のため診療報酬は払えません」という一方的な通告が来ます。

以前は、保険者の言いなりになって、診療報酬の再請求をしていましたが、今はそんなことしていません。

保険者からの理不尽な通告は拒絶しています。当院としては保険証の確認をしたのだから、当然でしょう。

すると今度は保険者が面倒な手続きを強いられることになりますが、そんなの私の知ったことではありません。

ある保険者は、マイナ保険証だと資格が有効かどうか確実にわかるんですけどね、と捨て台詞を吐きました。

ところが、です。オンライン資格確認では正確に資格確認ができないことが、本日判明してしまいました。

3月末で退職した方の旧保険証を、2日前にシステムで確認してみたら「有効」だと判定されたのです。

今日になってもう一度確認したら、こんどは「無効」でした。

つまり、保険証の有効性を判定する大元のデータが、退職の10日後になってやっと更新されたということです。

保険者に電話で尋ねると、職場から保険組合への連絡が遅れたようです、と他人事のような回答。

私はさほど驚きはしませんでした。リアルタイムで資格確認ができるなど、最初から期待してはいませんから。

テレビの動物はみな外敵

わが家の愛犬・花ちゃんは、何度も書いたように、とても優秀な番犬です。外敵を見つけると猛然と吠えます。

テレビに犬や猫が出てくると、タタタッと駆け寄り、両前脚をテレビボードに掛けて、激しく吠えかかります。

画面の生き物が、牛でも馬でもリスでもインコでも、分け隔てなく厳しく威嚇し、唸りながら吠えます。

なのでリビングのテレビには、花ちゃんの唾液が無数に付着しています。

散歩中に道で出会った犬に吠えることはなく、あくまで、自宅を守るためにのみ吠えるようです。

リビングの窓から屋外に向かって吠えるのと同様に、テレビの画面は窓だと思っているのでしょうか。

テレビ朝日の『羽鳥慎一モーニングショー』では、しばしば番組冒頭に犬や猫の動画のコーナーがあります。

なのでオープニングテーマが始まった途端にテレビに向かって犬が吠え始めて困る、という視聴者がいます。

テーマ曲のあとで、犬・猫の動画が始まることを、賢い犬はすでに予測しているのです。

花ちゃんに至っては、ひとつ前の番組の最後の林先生の『ことば検定』が始まった時点で、もう吠え始めます。

モーニングショーが始まると、さらに激しさを増して、外敵が画面に現れるのを吠えながら待ち続けます。

なので、動物動画よりも先にウクライナ情勢とかの速報ニュースが始まると、ガッカリして引き下がります。

プーチンとかトランプは、花ちゃん的には敵とは見なしていないようです。

新しい9価HPVワクチン、好評接種中

孫がたまに家に来て、みんなで食卓を囲むことがあります。

よだれかけ、じゃなくて「スタイ」を着けてます。撥水性のある素材なので、汁物もガードできます。

なので「シルガード」って聞くといつもスタイを連想してしまうんですけど、この前置き要りませんかね。

「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-4193.html" target="_blank" title="9価HPVワクチン・シルガード9">9価HPVワクチン・シルガード9</a>」の接種を、今月から当院でも始めました。希望者は徐々に増えています。

新たに接種を始める方や、1,2回目まで済んでいる交互接種の方や、キャッチアップ接種の方もいます。

新型コロナワクチンは、熱狂的とも言える接種ブームは過ぎ去りましたが、来月から新制度が始まります。

このワクチンの「功罪」がさまざま言われる中で、私はHPVワクチン接種への好影響を挙げたいところです。

HPVワクチンに対して日本人は、官民ともに過剰なまでの拒否反応を示し、接種を事実上中断させていました。

副反応を疑った事象が科学的には「シロ」だと判明しても、「火のない所に煙は立たぬ」と忌み嫌ったのです。

そこへ、HPVワクチンよりも明確な副反応が報告されている、開発されたばかりの新型コロナワクチンが登場。

副反応よりもコロナの方が怖いという、至極真っ当な理屈が多数意見となり、人々は接種に殺到しました。

ついに日本人も、メリットとデメリットを天秤にかけ、科学的で客観的な選択をすることができたわけです。

となると、ほぼ世界中で長い間使われているHPVワクチンも、いまさら忌避する雰囲気ではなくなりました。

筋肉注射にも慣れたし、最近登場した9価ワクチンによって有効性もアップしました。

毎年3千人が亡くなる子宮頸がんの怖さだって、前から日本人にはわかっていたはずなのです。

今年度の初フライト

飛行機好き「元少年」なので、今日もまた熊本空港を訪問、そして今年度の「初フライト」を楽しみました。

新ターミナルは先日見た通りですが、早朝に来たので開店していない店舗もあって少し残念な雰囲気でした。

しかし空港自体はとても混雑して賑わっていました。朝の7時前だとというのに、保安検査場は大行列でした。

家族連れがとても多く、昼休み最後の行楽を楽しむ人たちのようでした。

前にも書いたように、4月から保安検査や搭乗時にクレカが使えなくなったのは、やはり現実なんですね。

今日の私はしかし、ANAが推奨する通りにスマホの「QRコード」を使ったかと言えば、そうではありません。

チェックインカウンターで紙の搭乗券を発行してもらい、それを使って各ゲートの認証を行ったのでした。

以前から、保存用に紙搭乗券をもらうのが私の流儀でしたが、今回からそれを実際に使うことにしたのです。

保安検査場には特段の変化はなく、入口の機械から出る黄色い紙はまだ、廃止されていませんでした。

金属探知機を通る際にスマホを持つわけにはいかないので、黄色い紙は今後も必要なのかもしれません。

搭乗ゲートのピンクの紙も、まだあっちから出てきます。これはもう廃止してもいいんじゃないですかね。

今日は手荷物の預け入れはありませんでしたが、チェックインカウンターには立ち寄りました。

前述したように、航空旅行の記念として紙の搭乗券を保存するためですが、省資源に反するのは問題ですね。

そもそも考えてみると私は、書類やパンフなどは可能な限り、スキャンしてデジタル化して保管するタチです。

あえて紙の搭乗券を集めて保存するって、デジタル保存の原則にも反する行為でした。そろそろやめよかな。

新型コロナの「5類」化と、医師の「応招義務」

新型コロナの「5類感染症」への「位置づけ変更」に伴って、最近よく聞くのが「応招義務」という言葉です。

「診療に従事する医師は、診察治療の求があつた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない」

医師法19条のこの規定が、応招義務の根拠とされています。診療拒否には「正当な理由」が必要なのです。

新型コロナはこれまで、特定の医療機関での対応が制度上求められていたため、応招義務の例外扱いでした。

「うちは発熱外来してませんので」という理由で、発熱者の診療を断ることができたわけです。

しかし5月8日からは、「新型コロナに罹患またはその疑いのみを理由とした診療拒否」はできなくなります。

加藤厚労相は会見で、このことを明言しました。コロナ診療に参画する医療機関の増加を目指すためです。

一方で加藤氏は国会では、動線分離できないなど診療が不可能であれば他院紹介をお願いする、と述べました。

結局、コロナ診療はそれが可能な医療機関が担うという、これまでとあまり変わらない形になるのでしょうか。

あるいは、動線分離等を厳格には守れない(守らない)医療機関も、コロナ診療に加わっていくのか。

たぶん後者。マスク装着義務も撤廃されたことだし、院内感染のリスクも事実上許容されていくのでしょう。

メディアでは「応召義務」という記載をよく目にしますが、厚労省の文書では「応招義務」を使っています。

当ブログでは以前は「応召」と書いてきましたが、本稿からは「応招」に切り替えました。

クレカ搭乗不可の悲劇

ANAのシステム障害は収まりましたが、詳細な原因が不明とすれば、今後の再発も心配です。

ところで昨日は、「私は特殊な場合を除いて、クレカ1枚で、どこでも通過してきた」と書きました。

すると早速、「特殊な場合」とは何だ、というご質問がありました。

それって、説明してもいいですが、かなり特殊な場合なので、誰の参考にもなりませんが、よろしいですか。

たとえば、日帰りで熊本から札幌に行く急用が出来たと、そう考えてみてください。

早朝にバスで福岡空港に行くとか、前夜のうちに羽田まで行っておくとか、そういう工夫は除外して考えます。

となると、熊本を早朝に出発する、熊本→羽田→札幌→羽田→熊本、という航空券を予約するのが普通ですね。

そんな日帰り強行軍を「普通」と言えるのか、というご指摘は受け付けません。

当然、羽田での乗り継ぎ時間は短いので、乗継専用エレベーターを使って、到着階から出発階に移動します。

その乗継口で搭乗券等のチェックを受けるわけですが、前述した旅程の場合だとクレカが使えません。

そのため現場で足止めを食らい、係員に手数をかけさせてようやく通過できた経験が、じつは2度あります。

同一日に、同じ空港で、複数回の乗継を行うと、クレカではどの回の乗り継ぎかわからないのが原因とか。

なのでその場合は、搭乗券など、次に搭乗する便のQRコードが必要になるのだといいます。

クレカだってそれまでの搭乗情報がわかるはずなので、この理由には少々納得しかねますが、しょうがない。

というわけで最近は、熊本→羽田→札幌→伊丹→熊本、のように、同じ経由地を通らないようにしています。

逆に言うと、一筆書き経路で乗る場合は、最初から最後までクレカ1枚でいけるんです。これはスマート。

と思ってたのに、今月からクレカ搭乗が全面的にできなくなったので、ひどくガッカリしているのです。

ANAのシステム刷新と大規模障害

ANAのシステム障害によって、昨日は55便が欠航し、今日までに2万人以上に影響が及んだようです。

春休み時期だっただけに、ビジネス客だけでなく家族連れも予定が狂ってしまい、大迷惑な話です。

おりしもANAは、4月から国内線の旅客システムを大幅に刷新したばかりでした。

「ANA Smart Travel」とか「手のひらANAはじまる」と謳って、さかんにCMしているアレですね。

そのシステム改変が今回のトラブルの原因かと邪推する人もいますが、どうやら無関係とのこと。

しかし関連性はなくても、新しいシステムによって私は不便になったので、今日は苦言を呈しておきます。

新システムの要点は、「オンラインチェックイン」を原則とし、認証を「QRコード」へ統一したことです。

ANAの狙いは、自動チェックイン機を全廃し、認証システム等も簡素化して、コストダウンを図ること。

利用客は空港に行く前に、自宅で(空港でもいいけど)スマホでチェックインを済ませておく必要があります。

保安検査と搭乗口での認証ではQRコードしか使えず、FeliCa搭載の「ICカード」は使用不可となりました。

私は特殊な場合を除いて、ANAカード(クレカ)1枚で、どこでも通過してきたのですが、それができません。

QRコードを表示させるのには、スマホか紙の搭乗券を使います。もちろんApple WatchでもOKです。

保安検査では、使ったスマホを手に持ったままでは金属探知機を通れません。トレーに乗せる必要があります。

搭乗口でも、あらかじめスマホでQRコード画面(ウォレット)をいちいち表示させなければなりません。

そんな手間がすべて不要なのが、クレカだったんですけどね。4月からはその利便性と快適性を失いました。

ANAは、今回とても便利になった風に宣伝していますが、快適になったのは利用客ではなく会社側なのです。

坂本龍一さん亡くなる

坂本龍一さんが亡くなりました。

最初に知ったのは<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-4121.html" target="_blank" title="YMO">YMO</a>のメンバーとしてでした。79年のコンサートで、その姿を見ることができました。

当時は、テクノポップやフュージョンのミュージシャンとして、ややコミカルな人物かと思っていました。

でも聞いていくうちに、ジャズもできるしクラシックもすごい。とても多才な人だとわかってきました。

それどころか、その後の活動の広さと深さと創造性には、常に感服してしまうものがありました。

映画音楽もそうですが、私は坂本氏の学術的・教育的活動もまた素晴らしい功績のひとつだと思っています。

だいぶ前にNHKで、『スコラ 坂本龍一 音楽の学校』という、いま思えば奇跡のような番組が放送されました。

さまざまなジャンルの音楽を、歴史的・学術的に掘り下げるのが趣旨でしたが、その教育的手法が面白かった。

とくに坂本氏がバッハ音楽、とりわけ対位法を徹底的に分析する映像は、バッハ好きの私には刺さりました。

いやバッハに限らず、古典派や現代音楽や、もちろんジャズへの造詣もハンパなく深く、教育熱心なんですね。

ミュージシャンというくくりには収まらない、芸術家でもあり教育者でもあり、創造者かもしれません。

年齢を重ねてきたからこそできる、ある種の破壊をも、今後の楽しみにされていたようでもありました。

ご冥福をお祈りします。

「ゴービック」でGO!

「<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-4193.html" target="_blank" title="4種混合ワクチン">4種混合ワクチン</a>」の定期接種の開始時期が、今月から「生後2カ月」に早まりました。

この混合ワクチンは、百日咳・ジフテリア・破傷風・ポリオ、の4種の成分を含有しています。

国内製品には、「クアトロバック」( KMB / Meiji )と「テトラビック」(ビケン/田辺三菱)があります。

クアトロバックは、「4」を表すイタリア語「クアトロ」と、ワクチンを表す英語「Vaccine」が命名の由来。

テトラビックは、4を表すギリシア語「テトラ」と、ビケン( BIKEN )の語頭を合わせたものだといいます。

当院でも、昨日は2カ月の赤ちゃんが、4種混合を含む5つのワクチンで「ワクチンデビュー」しました。

4種混合のほかには、ヒブ・肺炎球菌・B型肝炎ワクチンの皮下注射と、内服のロタウイルスワクチンです。

大泣きさせながらチクチクと注射を4本接種し、最後にロタウイルスワクチンを飲ませる手順となります。

その注射本数を1本でも減らすべく、このたび「5種混合ワクチン」の製造販売が承認されました。

「4種」混合ワクチンにヒブワクチンも混合して「5種」混合。その名も「ゴービック( GOBIK )」!

「5」を表す「ペンタ」を使って「ペンタビック」かと思いきや「ゴー」ですか。「ゴーです」(郷ひろみ)。

まあなんにせよ、注射が1本減らせるので、赤ちゃんが泣く時間(痛みと恐怖の時間)を短縮できるのは朗報。

医療従事者側からしても、接種時間とワクチンを準備する手間も減り、理論的には過誤接種の確率も減ります。

なので解せないのは、名称だけです。ゴービック。その和洋折衷な<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-66.html" target="_blank" title="重箱読み">重箱読み</a>には、ビックりしたなぁ、もう。

マイナ保険証とウィズコロナへの診療報酬改定

「四月馬鹿」って、最近あまり言いませんね。昭和の頃は「エイプリルフール」と同程度に聞く言葉でしたが。

「ウソついてもいい日」にお知らせするのもナンですが、今日から当院の医療費が値上がりしたのは本当です。

「マイナ保険証」を持って来なかった人からは、「6点」ほど余計に初診料を頂戴しています。今日からです。

再診料だって、容赦はしません(ていうか、ルールなので値引きできません)。「2点」ほど頂いてます。

たとえマイナ保険証を持って来て一定の承諾が得られた方でも、初診料は「2点」高くなっています。

「オンライン資格確認」システムの維持費は、この6点や2点の「チリツモ」で工面することになります。

「一般名処方」に関連した加算も「2点」ほど、今日から増えています。

一方で、コロナ関連の診療報酬上の「特例」は、「五類」化へ向けて大幅に削減されていく方向です。

外来でも算定できる「二類感染症患者入院診療加算」は、昨日で終了しました。まだ「二類」ですけど。

コロナ患者への療養指導を行った場合に算定する「救急医療管理加算」は、5月8日から大幅減額です。

発熱外来の基本報酬であるコロナ疑い患者の診療で算定する「院内トリアージ実施料」は、8月で終了の予定。

このように診療報酬を削減していく一方でコロナを診る医療機関を増やそうというのは、少々無理筋ですかね。