発熱外来の受診者はめっきり減りましたね、と書きたいところですが、このところ不気味に増えています。
3月1カ月間のコロナ陽性者(NEAR法)は、22人(検査数181人、陽性率12.2%)でした。
ところが、4月は今日までの17日間(実診療日13日)だけで陽性者は22人(検査数105人、陽性率20.0%)。
さらに、とくに昨日と今日では、26人検査して陽性6人(陽性率23%)と、ジワジワと増えている印象です。
この6人の年代は8〜43歳と、若い方が目立ちます。
最近のコロナは症状の軽い方が多い印象がありましたが、ここに来て、高熱の方が目立つようになっています。
4月の陽性者22人を見ても、熱が38度未満の方は5人だけでした。昨日・今日の6人は全員が38度以上でした。
ひところは、熱が低いからと言ってコロナじゃないとは限りませんよと言ってましたが、様相が変わりました。
今のコロナは逆に、また高熱が出やすくなってきたかもしれません。
最近の問題は、発熱していても処方のみを希望して、検査を希望しない方が多いことです。
おそらくこれは、世の中の感染者数が減っているし周囲に感染者がいない、というのがその理由でしょう。
ところが実際には、周囲にコロナがまったくいない、という方が検査して陽性が出ることが多いのです。
当院の4月の陽性者22人のうち、周囲にコロナ感染者がいた人は6人(27%)だけでした。
どこで感染したのか見当もつかないという人もいれば、そういえば同僚が熱を出していたという方もいます。
もはや発熱しても検査しない人が増えたため、感染ルートがわかりにくくなってきています。
このようにしてコロナは、ついに「普通の風邪」のように扱われていくのでしょうか。
当院のような発熱外来が、検査をして陽性者を一部あぶり出しても、社会的な意義は少ないのかもしれません。