この忙しいのにマイナ保険証システムの準備中です

「オンライン資格確認(オン資)」の導入を医療機関に強いるのは憲法違反だ、という訴訟が起きています。

「オン資」とは、マイナ保険証によって、本人確認と直近の資格情報や医療情報まで確認できるシステムです。

全国の医療機関が、そのシステムをすでに導入済みか、いままさに準備を進めているか、あるいは検討中です。

当院でもようやく顔認証付きカードリーダーや専用PCのセッティングが終わり、いまは最終調整中です。

初期費用には国からの補助が出ますが、足りません。さらに、その後の維持費はすべて、永久に自腹です。

マイナ保険証の仕組みはたしかに、やがて必要だとは思います。ただ、国の「やり方がマズい」のです。

まず、オン資より前に、現行の保険証を「ICカード化」するようなステップは踏めなかったんですかね。

保険証の券面に印字してある情報だけでもIC化されれば、とりあえず現場では十分です。

本来は電子カルテに手入力すべき情報をカードリーダーで読み取れるだけでも、医療機関はとても楽です。

ネット接続や専用PCは不要。汎用のカードリーダーさえあればいいので、導入コストはわずかです。

利用者(被保険者)も、受付で「ICカード保険証」をピッと読み取らせるだけなので、便利です。

そのようにして、国民がICカード保険証に慣れておけば、マイナ保険証への移行もスムーズでしょう。

並行して、「別の方法で」マイナカードを十分に普及させた後に、保険証を廃止すればいいじゃないですか。

マイナカード普及後に保険証にも用途を広げるべきなのに、保険証を人質にカード普及を狙うのは反則です。

医療機関は国のイヤらしいやり口に押し切られ、コロナ禍中だというのに余計な作業をさせられているのです。