鳥取の病院で、搬送された患者がPCR陽性と「誤診」されて点滴治療を受ける、という医療過誤が起きました。
検査結果の「入力ミス」が原因とのこと。誤って「陽性」と判定してしまった、いわば「誤陽性」事例です。
私も2年前に、市内の無料PCR検査所での「結果取り違え」事例に遭遇したことがあります。
無料検査で陽性、当院のPCRでは陰性だったため、無料検査所に問い合わせたら「間違いでした」だと。
保健所に調べてもらうと、その検査所ではその日、結果データの処理で複数の取り違えが起きていたそうです。
呆れるようなミスですが、問い合わせるまで何の連絡も無かった(=隠していた)点は大問題でしょう。
2年前と言えば、志村けんさんが亡くなった頃で、コロナに対する恐怖は今とは比べものになりませんでした。
当院のPCR検査結果を伝えられた方々はみな、陽性は地獄、陰性は天国、みたいな反応をされていましたから。
今回のような「誤陽性」があるのなら、「誤陰性」も無数に存在するはずです。
しかし、「陰性」報告を受けた人が次の検査で「陽転」した場合、通常は最初の判定を「偽陰性」と考えます。
なので「誤陰性」事例は表には出にくいと思われますが、感染対策の観点からは「誤陽性」よりも問題です。
当院のコロナ検査はいま、「NEAR法」による核酸増幅検査に一本化しています。PCRも抗原もやってません。
検査装置から、結果を印字した紙が出るので、それを「結果報告書」に貼付して、患者さんにお渡しします。
過誤が起きるとすれば、それは検査時に装置に入力する患者IDの誤りか、検体の取り違えです。
その2点を確実かつ容易に確認できる手順を作り、その手順を例外なく遵守する。そのことに尽きますね。