新型コロナの感染症法上の位置づけが、5月8日から「5類」に移行する政府の方針が決定しました。
「2類相当」として求められてきた「私権制限」に見合った状態とは考えられない、というのがその理由です。
「今では過剰とも言える感染対策はできる限り早期に見直し」を行うべきだという「反省」も表明されました。
今回の決定に当たっての留意点として、厚労省の部会は次の4点を強調しています。
(1)医療費の自己負担分の公費支援については、段階的に移行する
いまは、検査代だけでなく、コロナ陽性と判定されるとそれ以降の療養期間中の医療費が「無料」です。
「コロナ治療薬の処方対象ですが」「高い薬ですか?」「無料です」「ください」という会話がよくあります。
しかしこれらが3割負担等になるのなら、検査も処方希望者も、なんなら受診者数自体が減るでしょうね。
(2)幅広い医療機関でコロナ患者が受診できるよう、段階的に移行する
当院のように発熱外来をやってきた医療機関の受診者が、今後は減るのか減らないのか、予測がつきません。
院内感染対策や検査体制のノウハウを考えると、今から新たにコロナ診療を行うのは、なかなか大変でしょう。
(3)発生届は終了し、定点サーベイランスに移行する
インフルエンザ等と同じで、新規感染者の実数はもうわからなくなりますが、流行の状況は把握できます。
それで十分でしょ。医療機関としては大歓迎です。大事なのは、重症例への対応だけですから。
(4)マスクや換気等の基本的な感染対策については、 個人の判断に委ねる
「状況によってはマスクが有効」としているので、「有効だけど強制はしない」という難しいスタンスです。
マスク装着率が下がった頃にまだマスクをしていると、逆に変な目で見られるようになるのでしょうか。
5月の「5類移行」の前までにコロナがほぼ収束していることが、いちばん混乱の無い理想型なんですけどね。