毎月初めは、前月分の診療報酬請求のための、いわゆる「レセプト」作業に追われながらの診療になります。
とくに正月は始業が遅れ、おまけに12月は発熱外来が忙しかったので、いま請求関係はバタバタです。
しかも点数の大きい検査料などは、レセプトに一定のコメントを追記しなければならず、異常に面倒です。
たとえばPCR検査だと、一定のコードを選んだ上で、下記の項目についてコメントを入力する必要があります。
(1)検査が必要と判断した医学的根拠:簡潔な文章で記載する
(2)検査結果:陽性か陰性か
(3)検査の実施日時:何日の何時何分か
もちろん本来は、日々の診療の都度入力しておくべき事柄です。でもそれができりゃ苦労しませんよ。
いつしか月末にまとめて入力するようになってしまい、昨年末はそれをサボったため、いまやってるのです。
12月の発熱外来数百件に、1例ずつチマチマと、同じようなコメントばかりを入力していく作業の辛さたるや。
国はおそらく、レセプト作業を面倒にして過剰検査や不正請求を防ごうという意図なのでしょう。
医療のひっ迫を防ぐために感染者の全数報告が廃止されたのは、医療関係者を思いやる気持ちがあればこそ。
補助金の審査も緩くして性善説で臨み、国は発熱外来を担う医療機関を最大限に支えようとしてきたはずです。
それなのに診療報酬となると、手のひらを返したように性悪説。つまるところ医者は信用されていないのです。