「NEAR法」検査機器の導入へ

発熱外来における新型コロナの検査法は、「核酸検出検査」と「抗原検査」に大別されます。

核酸検出検査とは、ウイルスの遺伝子(核酸)を増幅して検出する方法で、「PCR検査」もその一種です。

PCR検査は、温度の上げ下げと酵素反応によって時間をかけて核酸を増幅する、感度の高い検査法です。

抗原検査は、ウイルスの構成タンパクを検出する方法で、「定性検査」と「定量検査」があります。

定性検査は、感度では劣りますが簡便で迅速に結果が出るので、医療現場以外に家庭でも利用されています。

定量検査は、核酸検出検査並に感度が高く、空港検疫等で使われています。

さて、当院で行っているのは、PCR検査と抗原定性検査です。

前者は外部の検査センターに検査を委託するため、結果判明までに半日〜1日以上かかります。

後者は院内で鼻腔または鼻咽腔拭い液によって行い、最近ではインフルエンザとの同時検査も増えました。

問題は、とくに日曜祝日の場合は、検査センターが休業のため結果が出るまでに時間がかかることです。

その待ち時間を嫌って、抗原検査を希望する患者さんも多いのですが、そうなると偽陰性が増えてしまいます。

そこで登場するのが、温度の上げ下げを伴わない「等温核酸増幅法」です。検出時間が短いのが特徴です。

その等温核酸増幅法のひとつに「NEAR法 (Nicking Enzyme Amplification Reaction)」があります。

すでにこれを導入している医療機関がかなりあり、短時間で高感度の検査が出来ることをウリにしています。

当院でもだいぶ前から、NEAR法の検査機器の導入を検討してきたのですが、時期を逸して今に至ります。

しかしこのたび遅ればせながら、当院でもNEAR法を導入することにしました。

PCR検査並の高感度でありながら、準備も含めて20分以内に結果が出るので、有効なツールになりそうです。

加えて、鼻腔拭い液を用いるので、乳幼児でも検査ができることも、当院の場合にはとても重要なことです。

というわけで、ついに検査機器の購入を決定。近日正式に発注予定。稼働は来月。続報を待て。