「物価の優等生」と言われる卵の値段がどんどん上がっていると、今日も激しく報じられていました。
飼料価格の高騰や、鳥インフルエンザの影響によるものです。
私はしかし、メディアが、NHKですら、「優等生」という言葉を連呼していることが不思議でなりません。
「優等生」を辞書で引くと、「成績・品行とも特にすぐれている学生や生徒」とあります。
でも「成績」や「品行」によって生徒を「優等」だと短絡的に評価するのは、「昭和の発想」じゃないですか。
いまは「みんな違って みんないい」(金子みすゞ)の時代です。ともかく、人に優劣を付けないことです。
世の中の物価が全般的に上がっても、卵は値段はずっと上がらず、これが人々にとっては高評価でした。
そのことを擬人的に、卵には「優れた品行」が備わっているとして、優等生だと認定したのでしょう。
私はしかし、何十年たっても値上がりしないモノって、どこか構造的におかしいと思います。
生産の効率化によって値段を維持してきた生産業者にとっては、地獄のようなデフレだったのかもしれません。
それを優等生だとはやし立てて無理をさせて来たのは、一種の「いじめ」じゃなかろうかとさえ思えます。
などと書きながら、ところで「物価の劣等生」って何だろう、と考え始めて答えが出ません。