新型コロナウイルスとインフルエンザの同時検査キットが、ネットや薬局で販売されることになりそうです。
コロナ単独の検査キットはすでにOTC(一般用医薬品)化されており、広く使われているのはご存じの通り。
医療用キットで陽性なら、もはや医療機関を受診する必要はないので、発熱外来のひっ迫抑制効果があります。
今後のコロナとインフルの同時流行に備えるなら、同時検査キットも一般売りすべきです。
現にこの1週間、当院の発熱外来でも、コロナとインフルの同時検査を希望する方が急増しています。
いやむしろ、コロナよりもインフルを疑ってインフルの検査を希望する発熱者が意外と多くて、驚きます。
でも「もうインフルは出てますか?」と問われれば、「まだコロナの100分の1以下です」と答えています。
熊本県の定点(80カ所)あたりの毎週の報告数は、0ではありませんが1未満です。まだその程度なのです。
当院でも、インフルが陽性に出た方は今年はまだ一人もいません。
発熱者に原則として全例コロナとインフルの同時検査をするのは、本来は正しい医療行為ではありません。
いちばん「怪しい」疾患(たとえばコロナ)の検査をまず行い、それが陰性なら、次の疾患を考えるべきです。
しかしそれでは、鼻腔(鼻咽腔)を綿棒で拭う操作を、2度繰り返さなければなりません。苦痛を2回です。
そこで、「順位を付けがたい」2つの感染症の検査を最初から同時に行うのが、同時検査キットなのです。
ムダの多い同時検査ですが、今回のケースは国も推奨しているので、心おきなく実施させていただきます。
なぜ最初から同時検査をしたのか、まさかレセプトにいちいち言い訳の記載を求められたりしませんよね。