『シン・ウルトラマン』の配信が始まったので、さっそく、部屋を暗くして大音響にして鑑賞しました。
ネットでは酷評も多いようですが、先入観を持たずに観ました。以下、ネタバレ気味の記載があります。
「ウルトラシリーズ」(おもに初期)を見て育った世代の私には、なかなか期待の高まる導入部でした。
なにしろ脚本の庵野秀明氏は、私と同学年(かつ同郷)の人物ですから、時代感覚は同じはず。
ただし、かつて私が好きだったのは「ウルトラマン」のような正義キャラではなく、むしろ怪獣の方でした。
あるいは、その怪獣たちから逃げ惑う人間や、工夫して撃退を試みる科学者たちの葛藤の方が好きでした。
最後に強いヒーローが怪獣を倒してくれると思うと、安心してしまって怖さが薄れるんですね。
なので、一番好きだったのは、ヒーローが誰も登場しない『ウルトラQ』ということになります。
映画の場合、TVドラマのように正義の味方が登場して圧勝して終了、という単純な展開にはできません。
ヒーローの出自とか複雑な裏事情が、だんだんと明らかになっていくようなストーリになりがちです。
『シン・ウルトラマン』もまさに、その罠にはまってしまい、怪獣(禍威獣)映画の面白さに欠けました。
中盤からどんどん盛り下がり、後半はつらい時間帯でした。ふと見ると、家人はグースカ寝ています。
ていうか、手に汗握るアクション映画でもたいてい、家人は途中で寝入ります。終わると起きます。
残念ながらこの映画は、『シン・ゴジラ』のようにリピする気にはなりません。(すべて個人の意見です)