報道番組は、「マイナ保険証」の話題で持ちきりです。
マイナンバーカードを普及させるために、国が保険証に狙いを定めたといいます。その側面はあるでしょう。
メリットは、利用者も医療機関もお役所も、全員が便利になるということ。まあ、コストを考えなきゃね。
デメリットだと思われているセキュリティの不安も、じつは思い込みにすぎないので大丈夫、という話。
つまりそんな具合にメディアにも、マイナ保険証への切り替えを後押しするような論調が目立ちます。
私がマイナ保険証の最大のメリットだと思うのは、保険証の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-2834.html" target="_blank" title="資格喪失後受診">資格喪失後受診</a>を(たぶん)防げることです。
保険証には顔写真がないので、その保険証が本人の物かどうかを確認する手段がありません。
記載されている有効期限が適切であれば、もうそれ以上その人を疑うことはなく、診療を行います。
ところが、勤務状況や扶養関係等が変わって、実は被保険者資格を喪失している方が、時々いらっしゃいます。
うっかりなのか故意なのか、本来であれば使ってはならない無効な保険証を、そのまま提示されるわけです。
このような場合に医療機関は、資格喪失後受診かどうかを知るすべはなく、通常通り診療することになります。
そして2,3カ月後に保険者から「資格喪失後受診のため診療報酬は払えません」という主旨の通告が来ます。
性善説で保険証を信じて診療を行うと、時々こういう痛い目をみますが、ある程度は仕方ないと思っています。
マイナ保険証では、たぶん被保険者情報は随時更新されているので、資格喪失後受診はできなくなるはずです。
この点には期待しています。でもそれ以外の「便利になるところ」には、実はそれほど魅力を感じません。