健康保険証が廃止され、マイナンバーカードを用いた「マイナ保険証」に切り替えられることになりました。
かつてこのカードは、決して他人に番号を見せてはならぬと、厳しい管理を求められてきました。
ところがここに来てお役所は、マイナンバーカードは「持ち歩いても大丈夫!」と力説し始めています。
いまさら「マイナンバーを見られても悪用できない仕組みなのじゃ!」とは、いかにもご都合主義ですね。
医療機関はマイナ保険証専用のカードリーダーを設置しなければならず、その期限が来年3月に迫っています。
初期費用にはある程度の補助が出ますが、通信業者に払い続けるランニングコストは医療機関の負担です。
このシステムの普及率はまだ3割程度と言われています。かく言う当院も、やっとリーダーを発注した段階。
マイナ保険証は、患者さんが自分で受付のリーダーにカードを置き、顔認証か暗証番号で本人確認をします。
この仕組みだと、発熱外来での使用は不可能です。駐車場や隔離室での本人確認操作ができないからです。
駐車場や隔離室でマイナンバーカードをあずかり、さらに暗証番号まで尋ねることなどできません。
発熱外来でのマイナ保険証の運用はどうなるんだろうかと、私のいちばんの心配事はそれです。