HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)の定期接種にようやく、「9価ワクチン」の導入が決まりました。。
HPVというウイルスには多くの「型」があり、そのうち何種類の型に効くワクチンかを示すのが「価数」です。
現在、日本で定期接種として使われているのは、GSKの「サーバリックス」とMSDの「ガーダシル」です。
「サーバリックス」は2価ワクチン。国内では最初に発売されたので、当院でも最初はこれを使っていました。
子宮頸部を意味する「Cervix」と、GSKの拠点があるベルギーの地名「Rixensart」を組み合わせた命名です。
最近よく耳にするGSKの帯状疱疹ワクチン「シングリックス」も、同じ語尾です。
「ガーダシル」は4価ワクチン。予防できるHPVの型を2つ増やし、尖圭コンジローマなどにも有効です。
子宮頸部の扁平上皮内病変(Squamous Intraepithelial Lesion:SIL)からガードするという意味の命名です。
当院では現在、他院で1回目にサーバリックスを接種した方以外は、ガーダシルがデフォルトです。
これら2つよりも高い感染予防効果があると期待されるのが、9価ワクチンであるMSDの「シルガード」です。
ガーダシルをひっくり返した命名、というよりもこちらの方が自然(SIL+ガード)。本命登場って感じです。
昨年から任意接種は可能ですが、かなり高額(3回で約8万円)なこともあり、当院ではまだ導入していません。
より有効性の高いワクチンがもうじき定期接種になる、となると問題は「接種控え」ということになりますね。
定期接種の対象(小6〜高1)なら、私は来年まで待っても良いと思いますが、それ以上の年齢はダメです。