PCR検査の考え方も、そろそろ曲がり角?

毎日のように発熱外来の苦労談を書くのも芸が無いですが、旬の話題なので書きます。

昨日のPCR検査41件のうち陽性は28例でした。この陽性率68%は2月頃とまったく同水準です。

このように高い陽性率は、検査が追いついていない証。もっと検査したらもっと感染者が見つかるはずです。

とはいえ、もはや私は検査数を増やせば良いとは思っていません。

発熱外来のひっ迫や疲弊を問題にしているのではなく、もう、どうせ全数把握はできていないと思うからです。

臨床上ほんとに重要なケースに限定して検査を実施したいぐらいですが、現時点ではそうもいきません。

感染後の職場復帰前に、会社から「陰性証明」を求められたからPCR検査してほしい、という方がいます。

それは保険が利きませんよと言えば、自費でもいいです、いくらですかと応じられてしまいます。

PCR検査は会社が認めてくれないとか、時間がかかるから抗原検査をしてほしいという方も、一定数います。

抗原が陰性なら、すぐ夜勤に出るという発熱者もいます。そういう方に抗原検査するのには抵抗ありますね。

当院は、新型コロナ感染の発見と治療(隔離等を含む)のための「行政検査」を行う発熱外来です。

社会的理由による検査は行なっていません。自費でいいからお願いしますと言われてもお断りです。