全数把握は、この際、ヨシとしましょう

新型コロナ感染者の<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-3977.html" target="_blank" title="全数把握の見直し">全数把握の見直し</a>論がここに来て失速し、当面の現状維持を支持する動きが優勢です。

医療機関や保健所の負担軽減よりも、感染者のフォローの方がもっと大事だと気付いたからです。正論です。

全数把握をやめると、もしも報告から外れた感染者が重症化した場合には、対応に問題が生じかねません。

感染者と公的に認定されなければ、公費負担や職場復帰や保険金の手続きなどにも影響するかもしれません。

その「矛盾」に気付いた黒岩・神奈川県知事は、姿勢を一転させて全数把握見直しに慎重な姿勢を示しました。

全数把握見直しの旗振り役が、当初の考えの過ちを潔く撤回することを、はばからなかったわけです。

「HER-SYS入力」などの事務作業が、医療従事者や保健所の負担になっていることは確かです。

だから全数把握を見直すべきだというのは、私も当初はそうでしたが、やや短絡的な発想かもしれません。

感染者に行動制限を課す現行制度のもとでは、役所が感染者を把握してサービスを提供する必要があります。

とくに重症化対策等の感染後のフォローを考えると、感染者の登録は当面は続けておくべきでしょう。

要は、続け易いやり方でやれ、ということです。いま流行の「サステナブル」ってヤツですよ。

HER-SYSは、1人1分以内で入力できるところまでスリム化してほしい。そのかわり当面は、全例報告。

重症例もしくは重症化リスクのあるケースは、別枠で報告する(簡便な)仕組みを、自治体ごとに作ること。

熊本市には、独自の報告書類「入院チェックシート」がありますが、これは全例提出しなければなりません。

HER-SYSが簡略化されようかというのに、この面倒なシートの全例提出って「時代錯誤」じゃないですかね。