セミの抜け殻が多い木と少ない木

朝の蝉時雨が、心なしか弱々しくなってきました。近隣のセミの個体数が減ってきたのでしょう。

もうそろそろ、交尾を終えて産卵の時期に入りつつあるのかもしれません。

我が家の庭で枝を大きく広げて茂るシマトネリコは、セミたちの楽園です。

夏になると、その根元付近の土に、直径3cmぐらいの穴がいくつも出現します。幼虫が出てきた穴です。

夜のうちに木に登り、羽化し、朝までにはどこかに飛んで行きます。そこには抜け殻が残ります。

数えてみると、幹や枝にしがみついている抜け殻は30個以上。根元の土の上にも、たくさん落ちています。

我が家の愛犬・花ちゃんは、時折抜け殻をクンクン嗅ぎますが、動かない生き物には興味が無いようです。

一方でクリニックのメインツリーであるケヤキは、例年とは打って変わって、今年は抜け殻がほぼゼロです。

これは異常事態です。蝉時雨はサンピアンの方から聞こえ、ケヤキにはあまりセミが留まっていません。

なぜそうなったのか。セミの一生を考えた上で、推理してみました。

セミは交尾を終えると樹木の幹に産卵、その卵は翌年の初夏に孵化し、幼虫は木を下って土中に潜ります。

クマゼミは約5年間かけて生育し、やがて土から顔を出して木に登り、羽化します。

その、産卵から孵化までの間に、ケヤキに行った剪定が強すぎたために、卵が失われたのではなかろうかと。

今後はケヤキの剪定だけは軽めに、太い幹は落とさず、樹皮も傷つけないようにお願いすることにしましょう。

来年の夏、一つ年下のセミたちが土から出てきて羽化し、大いに時雨てくれるのを、期待します。