社会経済活動への影響を考慮して、新型コロナ感染者の「濃厚接触者」の扱いが変わりつつあります。
当ブログで「濃厚接触」という言葉を始めて使ったのは、<a href="http://tsuruhara9linic.blog116.fc2.com/blog-entry-1353.html" target="_blank" title="7年前">7年前</a>に「MERS」について書いた時でした。
まだ耳慣れない「のうこう」の響きからは、「農耕」とか「農高」を想像した方もいたでしょう。いないか。
職場や保育園でも問題にはなりますが、濃厚接触者がいちばん発生しやすいのは、家庭です。
少し前までは、家族間の接触度合いを保健所が聞き取り調査して、誰と誰が濃厚接触者だと認定していました。
しかし感染拡大に伴い面倒な認定作業は行わず、同居家族は基本的に濃厚接触者と考える方針になっています。
家庭内濃厚接触者の待機期間は、感染対策をとらずに最後に感染者と接触した日から5日間に短縮されました。
さらに2日目と3日目に抗原検査を行なって陰性なら、3日目に待機が解除されます。
私の経験上、濃厚接触の2,3日後に発症する人が多いので、3日後の解除はけっこうきわどい規定です。
抗原検査キットの入手も難しいでしょう。医療機関ですら、診療用のキット確保で苦労しているのですから。
感染者と毎日接触しているのに、感染者よりも5日早く待機が解除されると思っている濃厚接触者もいます。
残念ながらその状況では、感染者よりも5日長く待機しなければなりません。
無症状の濃厚接触者が待機する必要があるのかどうかは、議論の余地があります。
一方で、抗原検査によって待機期間を短縮できるという規定にも、確かな医学的根拠はあるのか疑問です。
抗原検査による「無症状者の陰性判定」を国が認めるということになりますが、私には納得がいきません。