「みなし入院」に対する入院給付金について、保険会社各社が見直しを検討しているようです。
支払い対象を高齢者など重症化リスクが高い人などに限定するようで、一見して制度改悪にも思えます。
しかしそもそも、みなし入院という特例を認めた経緯やその趣旨、意味を考えなければなりません。
コロナ禍の初期、感染拡大を防ぐために、「感染したら全例入院」させていた頃がありました。
やがて病床不足(ひっ迫)等を理由に、病院の代わりに宿泊施設での療養を行うようになりました。
さらに宿泊施設の不足もあって、軽症であれば自宅療養も認められるようになりました。
そして今では中等症であっても、入院困難のために自宅療養を余儀なくされている方も、おおぜいいます。
本来入院させるべき者を、医療提供側の理由で自宅等で過ごさせるのだから、みなし入院なわけです。
保険会社の負担が大きいから全員には入院給付金は支払えないとするのでは、理屈が通りません。身勝手です。
しかしよく考えると、感染者全員に入院が必要という前提が、とっくに崩れています。
ほとんどの自宅療養者は、病院が満床だから入院できていない状態ではありません。入院が不要なのです。
その意味では、みなし入院の考え方がすでに過去のものなのです。
ただ、一定期間の自宅療養を強制されることに対しては、何らかの「補償」があっても良さそうなもの。
入院給付金をいきなり全額カットするのではなく、コロナ特例で半額支給するなどの妥協案はないのですかね。